鶏むね肉が疲れをいやす? studio something/PIXTA(ピクスタ)
お盆休み明けのオフィス。夏も後半戦を迎えると、いよいよ疲れが目立ってくる。特に女性は、冷房による冷えや、汗による肌のべたつきやあせも、紫外線による肌荒れ、夏バテ、暑さによる不眠と、あらゆる不調がどっと押し寄せてきて、肉体的にも精神的にも、疲れを感じていることだろう。
そんなときには「スタミナ食を!」といきたいところだが、夏バテ気味で食欲がわかないこともある。手軽に夏の疲労に打ち勝つ食材が、注目を集めている。それは、「鶏のむね肉」。
鶏のむね肉は、脂肪分も少なくヘルシーといわれ、サラダなどに合う、もともと女性に人気の高い肉である。実は、この肉に豊富に含まれている「イミダペプチド」という成分に、「抗疲労効果」があることが判明している。つまり、疲労解消が期待できる食材、というわけだ。
現在、疲れに打ち勝つための「抗疲労」の研究が進められている。そのなかで発見されたのが、「イミダペプチド」なのである。
イミダペプチドが、なぜ疲れに効くのか?
そもそも人が疲れるのは、どのようなメカニズムによるのだろうか? 日本予防医学によれば、「ストレスや過度の身体活動が原因で『活性酸素』が大量発生することにより、体内のバランスが乱れ、細胞機能が低下する」からだという。疲労の原因の一つが、「活性酸素」なのだ。疲労を解消するには、この活性酸素を除去して、酸化ストレス状態を抑えることがポイントになる。
そこで役立つのが「抗酸化物質」である。抗酸化物質とは、体内で起きた酸化、つまり「サビた状態」を通常の状態に戻す働きをもつ。なかでも注目されたのが、長時間運動し続けられる動物の骨格筋中に含まれる「イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)」だ。
このイミダペプチドは、渡り鳥など、特に鳥類の翼の付け根の部分に多く含まれるという。そんなイミダペプチドを含んだ最も身近な食材として「鶏むね肉」が注目されたのである。ほかにも、まぐろやかつおなどの赤身の魚にも含まれているという。