大場久美子も円広志も"生き方の見直し"でパニック障害を克服した

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『水戸黄門』(6月29日)で入浴シーンに挑戦した大場久美子(オフィシャルブログより)

 パニック障害という病気をご存じだろうか。
 突然、めまい、動悸、過呼吸、心臓がどきどきするなどの発作が出てくる。不安が高まって、死の恐怖を感じる、という精神疾患のひとつ。いつ発作が始まるのか、終わるのか、わからないので、本人の恐怖は高まるばかりである。
 
 最近、大場久美子がこのパニック障害との闘いをカミングアウトしたのが大場久美子。彼女は、2008年にテレビ番組でその闘病を明らかにしている。映画館や電車など閉ざされた空間にいるときに発作が出るので、具合が悪くなったときのために一人でいられる空間、たとえばトイレの場所を確認するのが習慣になったという。顔と名前を世間に知られている芸能人らしい対応である。
 
 パニック障害の発作は、一般的に10分から1時間程度でおさまると言われている。発作によって恐怖のまっただ中にいる患者には、救急車を呼ぶ人もいる。しかし、病院で診察を受けても、身体面では異常なし、という結果となる。原因不明の病、と受け取られてしまう。この病気についての知識がない、友人家族からは、気のせいだ、大げさだ、と無理解な対応をうけることもある。

 歌手の円広志は、なんとパニック障害を15年かけて克服したという。その体験を書籍「パニック障害、僕はこうして脱出した」(詩想社)で赤裸々に告白。番組の本番中に、めまいが出て動けなくなる。全身から冷や汗が吹き出る。マネージャーとの打合せをしているうちに、「そんなに俺を責めないでくれ」と号泣してしまう。

 感情のコントロールが出来なくなっていった。しかし、押し寄せる仕事をこなしていかなければならない。あるとき、限界がきてスケジュールをキャンセルすることに。同じ番組出演者である島田紳助に降板の挨拶にいったとき、「その病気は必ず治るから大丈夫」と励まされた、その言葉が励みになって、療養に集中できるようになったという。医師から処方された薬を飲めば症状は軽くなるが、それだけですぐに完治するという病気ではない。
より重要なのは、物事の認識と考え方だ。
 

自分の脳が、自分を裏切っていく

 最近の研究で、パニック障害は脳の認知機能のゆがみが原因だということが明らかになってきた。ある行動を取ったとき、それを脳が生命の危機だと認識してパニック状態になってしまう。運転中に、このまま事故で死んでしまうのではないか?と、歪んだ認知に脳がとらわれてしまい、発汗、動悸、不安が襲いかかる。自分の脳が、自分を裏切っていく。

 投薬で、症状は一次的に軽くなるが、根本療法にはならない。「認知行動療法」という方法で、完治に近づくことができる。

 この療法は、「現実の受け取り方」や「ものの見方」である認知に働きかけて、バランスのとれた考え方と、前向きな行動を身につけていくことで、心のストレスを軽くしていく治療法で、うつ病で成果を上げている。認知行動療法の効果をつぶさにみていくと、パニック障害とは、患者に「生き方の見直し」を求める病気であることがわかってくる。
 
 あまりにも多忙、ストレスフルな生き方をしている人が発症したとき、認知行動療法に出会って、すべての生活習慣をスローダウンすることが推奨される。自然のなかを歩くことで、家族との団らんを楽しむ、ということで回復していくケースが多い。

 しかし、熟練した医師が30分以上かけて行う必要があり、多忙な医療現場では、そのための人員と時間を割くことが十分にできていない現状もある。

 パニック障害とは、超多忙な現代社会に生きる私たちに、もっとゆっくり生きていんだよ、ということを知らせる警鐘なのかもしれない。
(文=編集部)

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