「日記」をつけることで腰痛が劇的に改善、認知行動療法を肉体的痛みにも応用する

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 日本で腰痛に悩んでいるのは2300万人とも言われている。そして、この腰痛には、劇的な改善策がないことが大きな問題だ。「腰痛の85%は原因が特定できない」と指摘する医師もいる。整形外科などで診てもらうより、鍼灸、整体、カイロプラクティックに通う人が多いのも、そうした理由からだ。

 そんな腰痛に、まったく新しい治療法が登場し、効果を上げているという。福島県立医科大学で行なわれている療法がそれだ。
 
 基本となるのは「認知行動療法」であり、本来は神経症やうつ病、パニック障害などの治療に用いられてきた治療法で、患者が考え方や行動の歪みに自身で気づき、それを変えていけるようにしていく方法なのである。

 「えっ、腰痛って肉体ではなく考え方の歪みなの?」と不思議に思っただろう。
でも、そうなのだ。上に挙げたように、腰痛の85%は原因の特定ができないとされているが、少なくとも大きな原因が一つだけ判明している。それは、ストレス。
日常生活におけるストレスが腰痛を引き起こし、そのストレスを取り除くと腰痛も軽減したり、あるいは治癒したりすることがあるそうだ。それで認知行動療法を試してみたところ、効果がみられたというのだ。
 
 このように、整形外科と精神科や心療内科が連携しながら治療に当たる方法を「リエゾン療法」という。リエゾンとはフランス語で「連携」という意味。

認知行動療法によるストレス軽減、そして腰痛改善

「腰痛」を長期間にわたって抱え込んでいると、何か行動を起こす際にも不安になり、そのため行動を起こさなかったり、あるいは適当なところで止めてしまったりするようになる。認知行動療法とは、こうした心の動きを修正していくことが目的なのだ。

 腰痛があっても、楽しいことに熱中していると痛みを忘れたりする。つまり、腰痛でも「やれることはたくさんある」という方向に認知(考え方)や行動を導いていけるようになれば、腰痛のかなりの部分が軽減されていくのである。
 
 では、具体的にはどのような方法で認知や行動の歪みを修正していくのか。
最も効果的なのは「日記をつける」ことだ。それも「ストレスを感じた事柄について記す」ための日記である。だから、内容は腰痛に関することばかりではない。あくまで、その日その日で自身の感じたストレスを冷静に見つめ直すことを目的としているのだ。
 
 記す際には、ストレスが生じた状況、それに対して自分がどういう思いを抱いたかを書く。たとえば、「仕事でミスをして上司に嫌な顔をされてしまった」。これがストレスを生じた状況である。
 
 について、「何度もミスが重なっているので上司は相当に腹を立てているのでは?」と感じた。このままでは、いずれクビになるのではないか。あるいは、昇進も遅れるのではないか。そうした思いを抱いたと記す。

 こうして出来事と自分の感情を書いた後、今度は冷静に分析してみるのだ。それも第三者のように出来事を見つめ、自分の友だちが同じようなストレスを感じたとしたらどうアドバイスするかと考えてみる。
 
 ミスをして上司が嫌な顔をした......本当に上司は嫌な顔をしたのだろうか。もともとそういう顔つきなのではないか。会社の業務に支障のあるミスなら嫌な顔ではなく口頭で注意したのではないか。ミスを繰り返さないためには、どのような注意が必要か。そのことを上司にも相談して、アドバイスを受けてみたらどうか。
 このように合理的な思考が浮かんでくるはずである。

 こうして書き込んだ日記を毎日読むことで、自分の感じるストレスの質や対処法が分かってくる。するとストレスが軽減され、腰痛の方もかなり良くなっていくのである。
「日記ぐらいで......」と半信半疑でいた人たちも、実際に効果があって驚いているという。

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