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"ネガティブ過ぎるモデル"栗原類が「発達障害」をキャラ変換、むしろ"ポジティブ"?

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「発達障害」を告白した栗原類(オフィシャルブログより)

 モデルの栗原類(20歳)が、NHKのテレビ番組「あさイチ」の出演中に「発達障害」であることを明かした。

 イギリス人の父と日本人の母の間に生まれた栗原は、長身のイケメンながらも後ろ向きな発言が注目され、"ネガティブ過ぎるモデル"としてブレーク。バラエティ番組などで活躍している。

 「あさイチ」では「増加!夫の発達障害 苦悩する妻」を特集。栗原はゲストとして生出演中、米国に住んでいた8歳の時に、発達障害のひとつ「注意欠陥障害(ADD= Attention Deficit Disorder)」だと診断されたことを告白した。

 発達障害のことを知っている人は、「おや」っと思ったかもしれない。通常「注意欠陥障害」は、包括的に「注意欠陥多動性障害(ADHD= Attention Deficit /Hyperactivity Disorder)」と診断される。「多動性」のない「注意欠陥障害」という診断名は、あまり見かけないからだ。

 ADDが少ない理由のひとつには、そもそも診察を受ける機会の少なさが挙げられる。いわゆる「落ち着きがなく気が散りやすい子」が周りに注目されることで、ADHDと診断されるのが一般的だ。

 その点、ADDは"不注意さ"が認められるものの、多動性がないので、あまり目立たない。「なくし物や忘れ物が多い子」というような印象をもたれるぐらいである。ADDは、なかなか発見されにくいのだ。

 現在でも、ADDと確定診断される患者数は少ない。12年前にADDと診断されたのは、この障害の研究が進んでいる米国ならではといえる。

発達障害の「早期発見・対応」は人生に大きな利益をもたらす

 栗原は自身の症状について、「人に合わせられなかったり、決め事やこだわりが強い」と説明。たとえば「冷蔵庫の中で、いつもお茶が置いてある場所に違うものがあると気持ち悪くなって置き直してしまう」と話した。

 さらに「親や主治医が早い時期にADDを指摘してくれ、自分にできることとできないことがより分かりやすくなった。そんな周りの環境があるから、今がある」と早期の解明の大切さを説いた。

 栗原が実感を込めて語るように、早い段階でこの障害に気づけたのは、幸せなことである。若い時分から、自分らしい生き方を習得でき、その後の人生に大きな利益をもたらすからだ。

 発達障害は、臨床現場では「自閉症スペクトラム障害」と呼ばれる。程度の差はあるものの、どこか自閉傾向が認められるのが特徴だ。栗原が挙げたような、種々のこだわりは、まさに自閉傾向の特徴である。

 こだわりは、囚われすぎると生活に支障をきたし、自身も周囲も辛い思いをする。だが、自分の特徴として、ほどよく生活に取り込み、あるいは弱点をカバーする対応策が講じられたら、個性のひとつと捉えられるものだ。

 また、ネガティブな情報を強く受け取りやすく、自己否定感を持ちやすい人が多いのも、発達障害のひとつの側面である。栗原類は、まさに自身の障害をドラスティックに、個性へと転換したケースといえるだろう。

 "ネガティブ過ぎるモデル"の素顔は、思いがけず"ポジティブ"だったのだ。このポジティブさは、自身の特性を理解しつつ、のびのびと自分らしい成長を遂げた現れといえる。

 現在、医師やカウンセラーに出会う機会を得ないまま成人し、社会に出ても仕事をうまくこなせなかったり、職場でさまざまな困難を感じたりして、そこで初めて自身の障害を知る「大人の発達障害者」が増えている。

 すると、自信や自尊心を失い、2次障害として情緒不安や睡眠障害、パニック障害などが表われてしまう人もいる。「発達障害」と診断された成人にとって、人生の見通しはけっして明るいものではないのだ。

 栗原類が、発達障害のオピニオンリーダーになるのか? 今後の活躍に注目したい。
(文=編集部)

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