子供のくる病などで注目されるビタミンD  サプリの過剰摂取リスクは?

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 ビタミンDサプリメントの利用が増加しているが、それによる血中カルシウム濃度上昇のリスクを評価した研究で、「ビタミンD中毒」を発症するリスクはまれであることが明らかにされた。

 ビタミンD は水に溶けにくく油(脂)に溶けやすい脂溶性ビタミンに分類される。食物からとるほかに、日光を浴びることで体内でもある程度つくり出せるビタミンだ。小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進させる働きがあり、その働きによって血中のカルシウム濃度を保ち、骨や歯の形成を健全化する。

 しかし、ビタミンDを豊富に含む食品は魚介類、卵類、きのこ類など比較的限られており、最近はビタミンD不足が問題となっている。

 特に豊富な栄養素を含む母乳ではこのビタミンDが不足しており、母乳のみで育てられた場合の子供がくる病を発症するケースが報告されているため、非常に注目されているビタミンだ。また最近では、ビタミンDと免疫力の関係、ガンや糖尿病、自閉症などに有効性を持つという報告もされるようになってきている。

 一方、ビタミンDの過剰摂取では高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化などを引き起こす恐れがある。サプリメントや薬などから誤って大量摂取しないように注意が必要だ。

ビタミンDの過剰摂取が引きおこす高カルシウム血症

 今回の研究報告を受けて、米ボストン大学医学部のMichael Holick氏は、「ビタミンD中毒はごくまれな医学的症状であり、意図的または不注意による極端な高用量の摂取に起因するものが典型であることがエビデンスから明確にわかる」と述べている。

 研究著者である米メイヨー・クリニックのThomas Thacher氏らによると、ビタミンDはサプリメント以外に、天然のビタミンDの摂取源として油の多い魚(サバやシャケ)、強化ミルク、日光などがある。独立諮問機関である米医学研究所が推奨するビタミンD補充の上限は、低値または欠乏症の人で1日4,000IUとされる。

 過剰なビタミンD補充で特に懸念されるのは高カルシウム血症であり、脱力、腎結石をもたらすほか、心臓や脳の健康悪化に至ることもある。ビタミンDの血中濃度が50ng/mlを超えると問題となり、正常範囲は20~50ng/mlとされる。しかしThacher氏は、「今回の研究では、50ng/mlを超える高いビタミンD値のみられる人でも、高カルシウム血症のリスク上昇は認められないことがわかった」と述べている。

 同氏らは、サプリメントが広く利用されることによりビタミンD中毒リスクが上昇する可能性を評価するため、ロチェスター疫学プロジェクト(Rochester Epidemiology Project)で収集されたビタミンD値に関する情報を分析した。このデータには2002~2011年に米ミネソタ州のある地域の住民から取得した2万件を超える血中ビタミンDの測定値が含まれていた。

 最終的に、このうち8%が50ng/mlを超える値を示し、多くは65歳以上の女性だった。100ng/ml超であったのは1%未満だった。10年にわたる試験期間中に認められたビタミンD中毒の症例は1件のみであり、そのビタミンD値は364ng/mlだった。

 つまりビタミンDサプリメントの過剰摂取の危険性は比較的少ないと考えられるとの結論だ。
(文=編集部)

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