1日8時間以上の睡眠が脳卒中リスクを上昇! 急な睡眠増加は発症の予兆?

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睡眠は長ければいいわけでもないらしい comzeal/PIXTA(ピクスタ)

 春眠暁を覚えず。気候の変化に体が追いつかないせいか、春は目覚めてもベッドでゴロゴロしたくなる季節だ。

  美容や健康のために「理想の睡眠時間は8時間」ということはよくいわれる。だが、なかには「もっと長く寝ていたい」と思っているロングスリーパーもいるだろう。

 実は「8時間睡眠」には根拠がない。それどころか、成人が8時間を超えて寝続けると、脳卒中になるリスクがグンと上がってしまう。そんな怖い報告が、先日発表された。

約1万人を対象に9年半にわたり調査

 この研究結果は2月25日、英・ケンブリッジ大学の研究グループが、米神経学会の機関誌『Neurology』で発表したものだ。

 研究グループは42~81歳までの1万人弱の男女を対象として、9年半に渡る追跡調査を実施。睡眠の質と量に関する調査は1998~2000年の間に1回と、その4年後にもう1回行った。

 それによると、全体の約7割の人は1日の睡眠時間が6~8時間と回答。1日の睡眠時間が8時間を超えるという人は約10%いた。そして、睡眠時間が6~8時間よりも長い、あるいはもっと短いと答えた人は高齢者、女性、運動不足で活動的でない人に多く見られたという。

 この追跡期間中に脳卒中を発症したのは346人(生存・死亡の合計)。これに年齢や性別、活動量などの脳卒中リスク要因を考慮してデータを補正したところ、1日の睡眠が8時間を超えていたグループは、脳卒中のリスクが平均よりも46%増加。つまり1.46倍になるという結果が出た。

 また、2回の調査の両方で睡眠時間が長かった(長期間にわたって睡眠時間が長い)グループと、2回の調査の両方で睡眠時間が6~8時間だったグループとを比較。すると、前者の脳卒中リスクは後者の2倍に達していたという。

 さらに、初回調査で睡眠6時間未満が2回目で8時間超になった、つまり4年間で睡眠時間が「少なすぎ」から「多すぎ」に大きく変化したグループは、継続して6~8時間だった群より脳卒中リスクが4倍にもなった。

脳卒中の予兆として睡眠が増えている可能性も

 研究グループはさらに、睡眠時間と脳卒中との関係を調べた過去の11研究を統合的に分析。これらの研究の被験者は7カ国・56万人に上るが、こちらも同じような脳卒中リスクの増加が確認された。

 睡眠時間の長いことが、脳卒中のリスク増加につながるかという因果関係は、現在のところ不明だ。「逆に脳卒中を発症する予兆として、睡眠時間が長くなっている可能性も考えられる。関連性を裏付ける理由を解明する必要がある」と、同グループの研究者は語っている。

 ちなみに、昨年開催された日本睡眠学会では、日本人の睡眠時間は全年齢平均で男性6時間25分、女性6時間16分と報告された。世界の平均と比べると1時間15分以上も短く、少なすぎると指摘された。だが、今回の研究結果を踏まえると長ければいいわけでもないらしい。

 時間にとらわれるよりは、適度に身体を動かし生活リズムを整えて、質のいい睡眠をとるよう心がけることが大切だ。毎朝すっきりと目覚めることができれば、適正な睡眠時間は身体が決めてくれるはずだ。
(文=編集部)

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