昼寝し過ぎると糖尿病リスクが高まるというのは本当か?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 昼食後は大人も子供もやや眠くなるもの。働き盛りのサラリーマンでも1時間程度の昼休みに、さっさと昼食を済ませて残る時間はデスクの椅子に座りながらうたたねする人も少なくない。スペインでほぼ公的制度として存在する、昼食後2~3時間の昼寝も含む休憩・シエスタをうらやましいと思った人もいるかもしれない。ところが、過度な昼寝は禁物だ。生活習慣などを原因とする2型糖尿病(1型は先天的な糖尿病)の発症リスクを高める可能性がある、」との新たな研究がこのほど報告された。
 
 研究は東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科のグループが行ったもので、昨年9月、オーストリアのウィーンで開催された第50回欧州糖尿病学会で発表された。この研究はメタ解析と呼ばれる手法を使っている。過去に糖尿病と昼寝の関係を検討した複数の研究発表をまとめて統計学的な分析を行うというものだ。今回は1035件の研究報告論文から得られた22万5000人超のデータを集約して解析した。

 その結果、60分以上昼寝をしている人は全く昼寝をしない人と比べて糖尿病発症リスクが明らかに高くなるのに対し、60分未満の昼寝をしている人は昼寝をしない人と比べて特段糖尿病発症リスクが高まることはなかったという。
 
 そこで昼寝時間と糖尿病発症リスクの関係についてより詳細に調べたところ、昼寝時間が30~40分くらいまでは昼寝をしない人に比べて糖尿病発症リスクは徐々に低下していくものの、その後発症リスクは上昇に転じていることも分かった。

疑われる睡眠時無呼吸症候群との関係

 もっとも今回の研究結果は、なぜ長時間の昼寝が糖尿病の発症リスクを高めるかまでは解明に至っていない。ただ、1つ疑われているのは睡眠時無呼吸症候群(SAS)との関連だ。SASは文字通り睡眠中一時的に呼吸が停止するというもの。睡眠中に高鼾をかいている人の鼾が止まった瞬間、あるいは睡眠中に息苦しくて目を覚ますなどが典型的な症状で、こうした結果として眠りが不十分になり、昼間に眠気も発生する。これを繰り返すと、体に取り込まれる酸素の量が少なくなってさまざまな臓器に障害をもたらすといわれる。

 これまでの国内外での研究では、糖尿病患者でSASを合併する人が多いことが分かっており、背景には無呼吸による低酸素状態や呼吸再開時の覚醒状態がヒトの体内での糖代謝に異常を引き起こすからではないかと考えられている。
 つまり、昼寝そのものが糖尿病を引き起こすというよりも、SASが糖尿病発症リスクを高めており、そのSASの典型症状として長めの昼寝が起こるのではないかということである。
 
 このことからは、夜間の睡眠をまずはしっかり摂るということが重要であることが分かる。とりわけSAS治療では生活習慣の改善が治療の第一歩。早寝早起きは万病予防の最善策なのである。

(文=編集部)

難治性むちうち症からなぜ多くの不定愁訴がおきてしまうのか?
難治性のむちうち症を改善 後編 東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長 川口浩医師

前編『画像診断できない難治性のむちうち症を独自の治療法で改善』

原因不明で治療法がなく多くの患者さんが回復をあきらめていた難治性のむちうち症。東京脳神経センターで進む独自の治療で、めまい、動機、吐き気などの全身症状やうつ症状などの不定愁訴が大幅に改善しているという。その具体的な成果についてお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

医療法人社団 顕歯会 デンタルみつはし 理事長…

三橋純

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授…

西郷和真

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリ…

横山隆