東洋医学で毎日の不調を乗り切る

季節の変わり目のできることの多い口内炎、薬を使わずに楽になる方法とは?

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痛くて食事ができない口内炎shutterstock.com

 ひどいときは2週間ほども完治せずに毎日の食事や会話のたびに苦痛に顔を引きつらせることになってしまう口内炎。この口内炎はなぜか季節の変わり目に多いとされています。

 一言に口内炎といってもいくつかの種類がありますが、最も一般的なのがアフタ性口内炎です。このアフタ性口内炎は潰瘍性ともいわれ、粘膜が破れた状態で非常にしみやすく、完治まで長い時間がかかってしまうことがあります。このほか、ヘルペスなどに代表されるウィルス性口内炎、義歯が接触したり、頬をかんでしまったとき、熱湯や薬品の刺激で起こるカタル性口内炎などがあります。

 アフタ性口内炎は、その原因がはっきりしていませんが、ストレスや疲れによる免疫力の低下、睡眠不足、栄養不足(ビタミンB2不足など)、口内の不衛生などが原因といわれます。

 いずれにしても口の中の粘膜や舌にできる口内炎や、唇の端にできる口角炎なども、胃腸の調子に左右されやすい症状です。症状が現れているときはもちろん、ふだんの食生活にも気をつけていないと、繰り返し症状が起こったり、慢性化してしまうことがあります。

 東洋医学で考えられる対策としては、何よりもまず辛いものや脂っこいものを控え、ナスや大根おろしで炎症を鎮めることです。口内炎は、ほおや唇の内側の粘膜や舌にできるびらんや潰瘍で、痛みや赤みを伴うのが特徴です。胃に発生した熱がかかわっている場合と、ストレスや過労が引き金になる場合とがあります。口角炎の原因もほぼ同じです。
 
 炎症を悪化させないためには、唐辛子や山椒などの香辛料、脂っこいもの、肉類(特に羊肉、牛肉)など、胃に熱を生みやすい食べ物を避けることが大切。また、繰り返し口内炎ができ、いつも炎症がひどくなって1週間~10日も治らないという人は、ふだんから辛いものや脂っこいものは食べすぎないようにしたほうがいいでしょう。

予防はあっさりとした野菜中心の食事と十分な睡眠

 口内炎の予防としては、白菜、青梗菜、トマト、ナス、ほうれん草など、あっさりとした野菜を中心に食べ、ストレスや過労、睡眠不足に気をつけることが基本。
 
 できてしまったときには、ナスのヘタを黒焼にして、酢とまぜたものを患部につけると効果的。少々しみますが、酢の収れん作用とナスの消炎作用によって回復が早くなります。柿、大根おろし、キュウリ、ミョウガ、梨などもおすすめです。また、痛みや赤みはそれほど強くないのに、いつまでも治らない口内炎は、小豆+緑豆+黒豆を煮たものがおすすめです。緑豆(リョクトウ)は、体にこもった熱をさましてくれる作用と利尿作用があるので、中国の夏の食卓には必ず登場します。モヤシや春雨の原料として有名ですが、お米と一緒におかゆにしたり、小豆のように甘く煮ても美味。日射病、夏バテなどのほか、膀胱炎や尿が出にくいとき、ニキビなどの化膿症状にもよく用いられます。

 この3種類の豆を煮たものは「三豆飲」(さんずいん)という名前のスープで、ニキビなどの皮膚疾患にもよく使われる薬膳メニューです。

 最後に薬にはなりますが、体に熱がこもって起こる便秘や口内炎に 効果があるといわれるのが『三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)』を紹介します。『三黄瀉心湯』は、黄苓、黄連、大黄という三つの生薬からなる漢方薬です。この三つの生薬は、いずれも体にこもった熱をとりのぞく作用を持っていますので、体が冷えているときや、冷え性の人には禁物。ふだんから暑がりで活動的なタイプの人や、熱性の症状に合う薬です。

 口内炎や口臭、鼻血、目の充血などにもよく用いられます。口や目の症状に、便秘と同じ薬が使われることに違和感を感じる人がいるかもしれませんが、これが漢方薬の妙。対症療法ではなく、原因を突き止めて治療する方法をとるため、同じ原因から発生した症状なら、同時に治すことが可能なのです。特に、三黄瀉心湯は、上半身の熱も下半身の熱もとりのぞく配合になっているので、熱からくる症状に幅広く使うことができます。
(文=編集部、監修=呉澤森/呉迎上海第一治療院院長)

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