>  >  > 『チェルノブイリ・ハート』と福島原発は関係が無いのか!?

『チェルノブイリ・ハート』 他人事ではない汚染地域の子どもたちの驚愕の実態

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『チェルノブイリ・ハート』2003年/アメリカ/61分/カラー 監督:マリアン・デレオ~『チェルノブイリ・ハート』公式ページより

 1986年、旧ソ連ウクライナ共和国のチェルノブイリ原子力発電所で起こったメルトダウンと爆発は、大量の放射性物質を放出し、甚大な被害をもたらした。その16年後の2002年、アメリカの映画監督マリアン・デレロは、NGO「チェルノブイリ子どもの国際プロジェクト」代表のエイディ・ロッシュとともに、原発事故で大きな影響を受けたベラルーシを訪れ、疾患や障害を持つ子どもたちの状況をフィルムに収めた。この作品は翌年のアカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞。日本では、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から5ヵ月後の2011年8月に公開された。

心臓疾患、甲状腺がん、水頭症...... 重度の障害児が事故後に急増

 タイトルの『チェルノブイリ・ハート』は、原発事故の影響が疑われる重度の先天性心臓疾患を持つ子どもたちのことだ。年間約300人が心臓手術を希望しているが、順番待ちの間に亡くなってしまうこともあるという。

 撮影チームは小児病院、甲状腺治療専門病院、小児精神病院、遺棄乳児院などを訪問。心臓疾患だけでなく、甲状腺がん、脊髄損傷、脳性麻痺、知的障害、水頭症、悪性腫瘍などを持つ子どもたちがスクリーンに映し出される。甲状腺がんを発症するのは、事故当時幼少期や思春期だった子どもが多い。放射性物質に汚染された食べ物を食べたことが原因といわれている。

 多くの障害児が収容されているゴメリ市の遺棄乳児院"ナンバーワン・ホーム"は、原発事故後に作られた施設だ。脳が頭蓋骨に収まらず後頭部が突き出している子、背中から腎臓が飛び出している子、大きな腫瘍を持つ子。想像を超える重い障害と、"親に捨てられた"という二重の悲劇に見舞われた子どもたちの小さな姿に胸が詰まる。

「事故の後、病気や障害を持つ子が急増した」と話す病院や施設の関係者。一方ロッシュ自身は、「個々の病状に放射能の影響を特定するのは難しい」としながらも、こう断言する。「それでも間違いなく因果関係はある。しかしそれは実態からしか語れない」

「事故後、障害児の出生率は25倍に膨れ上がった」「健常児が生まれる確率は15%~20%」「ベラルーシの新生児死亡率はほかのヨーロッパ諸国に比べて3倍である」「ゴメリ地方では甲状腺がんの発生率が1万倍に増加した」という、テロップの文字や医療関係者の言葉はかなり衝撃的だ。実際これらの数字に疑問を呈する人は多くいるが、残念ながら作品中にこれらを裏付けるデータは示されていない。何らかの根拠の提示があれば、より説得力のある作品になったはずだ。

チェルノブイリを"福島の未来の姿"にしてはならない

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 福島第一原発事故から約4年。2014年12月には、18歳以下を対象にした福島県の甲状腺検査において、事故直後の1巡目の検査で異常なしとされた4名が、2巡目で"がんあるいはがんの疑い"と診断されたという報告があった。また、1巡目でがんと確定診断されたのは84名になったことも判明した。これに対し県民健康調査検討委員会は、「放射線の影響だとは断定できない」という見解を崩していない。

 内部被曝の影響に関しては、専門家の間でも安全か危険かで意見が分かれており、一般の人々は情報を自分で情報を取捨選択し、判断材料にしなければならない。低線量の内部被曝の場合、影響が出るには時間がかかるといわれ、チェルノブイリでは事故の4、5年後に子どもの甲状腺がんが増加した。いたずらに不安を煽ることは避けるべきだが、福島がチェルノブイリの轍を踏むことがないように、その教訓を活かす必要があるのではないだろうか。
(文=編集部)

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