メタボ関連治療費を3割削減! 医療費危機の打開策とは?

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メタボ検診が医療費削減の救世主となるか?

 2008 年 4 月にスタートし、早くも6年が経った「メタボ検診(特定健康診査・特定保健指導)」。健康意識の高まりとともに、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という言葉もすっかり有名になった。

 メタボ健診では、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上で、かつ血糖・血圧・脂質のうち1つでも異常があれば生活習慣の改善を促す「特定保健指導」が行われる。特定保健指導は、従来の一方向的な保健指導とは違い、生活習慣改善のために立てた目標に向かって自分自身が頑張ることをサポートするものだ。

 今回、その特定保健指導で積極的支援を受けた人は、受けなかった人よりもメタボ関連疾患にかかった医療費が3割以上低いことが分かった。

保健指導で高血圧などの医療費減

 この報告をまとめたのは、厚生労働省のワーキンググループ。まず2014年4月の中間報告では、特定保健指導で積極支援を受けた人は、受けなかった人よりも腹囲や体重、血圧、脂質、血糖などが有意に改善していたことを発表。さらに今回の調査では、そうした支援が医療費に与える効果を検証した。

 対象となったのは、2008~2011年度の健診で初めてメタボリックシンドロームと診断され、保健指導対象になった約22万人だ。年度別に保健指導を受けた人と受けなかった人のグループに分け、メタボ関連疾患(高血圧症、脂質異常症、糖尿病)について、翌年にかかった通院医療費を比較した。

 すると、2008年度に特定保健指導を受けた人の2009年度の医療費は、保健指導を受けなかった人に比べて、男性は平均5,340円(34,8%)、女性は7,550円(34,0%)抑えられていた。それ以外の年度も、男性は、2009年度で7,030円、2010年度で5,320円、2011年度で5,020円低い。女性も同様で、その差は4,380円、4,790円、2,590円となった。

 今回解析しなかった脳卒中や心筋梗塞、糖尿病合併症についても、2014年度内に公表する予定だ。同ワーキンググループは「特定保健指導に一定の効果があることが明らかになった」と分析している。

メタボ予防は受診率の向上が課題

 一方で、厚生労働省の発表(2012年)によれば、メタボリックシンドロームと診断されている人の医療費は、そうでない人よりも年間8万~12万円も高い。今回の調査は高血圧症・脂質異常症・糖尿病の治療費に限定されているにもかかわらず、医療費は3割減になるという。

 現在メタボ健診の受診率は46,2%(2012年)と低迷していて、国が目標とする70%には遠く及ばない。また、受診して特定保健指導の対象となっても、実際に指導を受けた人は15,9%(2011年)にとどまっている。

 生活習慣病の改善には継続が不可欠だ。もっと多くの人がメタボ検診や指導を受けるモチベーションを得るためにも、時間をかけて詳細なデータが明らかになることを期待したい。メタボ脱却による経済効果の浸透は、将来の医療費抑制のカギになるのは間違いない。
(文=編集部)

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