連載第3回 薬は飲まないにこしたことはない

薬を常用しすぎると薬の効果が減少してしまうのは本当!?

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意味も無く飲み続けていませんか?

「最初は薬の効果がはっきりと出ていたのに、毎日飲んでいたらだんだん効かなくなった」「以前は1錠で十分だったが、今は2錠飲まないと効かない」という経験を持つ人は少なくない。

 このように、同じ薬を飲み続けることにより、体に抵抗性ができ、薬の効果が低くなることを耐性と呼ぶ。同様に、アルコールに関しても「はじめは少しの酒量で酔っていたが、長年飲んでいたら強くなった」という耐性が生じる。しかし薬の場合、継続的な服用は副作用の発現や酵素の浪費、免疫力の低下などのリスクを伴う。「効果がないからたくさん飲めばよい」という単純な考えは持たない方が賢明だ。

 飲み始めたときに副作用が出なくても、量が増えれば発現する可能性もある。また、増えた分の薬を分解するためには酵素をより多く使うことになり、体に大きな負担をかけることになる。それを避けるためにも、薬に対する耐性がつかないように、薬に頼らず生活の改善を心がけることが大切だ。「生活習慣を見直すのは面倒だから」と薬に依存すれば、結果的に何らかの病気を引き起こすことにもなりかねない。

 また、耐性がつくほど長期間薬を飲み続けることは、精神的にもかなりのストレスをもたらす。「毎食後に飲むのはかなり煩わしいが、飲まなかったら余計具合が悪くなるかも」という心配が毎日続くと、それが次第に大きなストレスとなり、体に別の不調が生じる原因にもなり得る。「ストレスから生じる交感神経の過度の緊張が、病気の7割を引き起こす」という説もあるので、注意が必要だ。

自律神経のバランスを崩す原因に

 この交感神経は自律神経のひとつで、体を活動させるときに働き、心身をリラックスさせる副交感神経と相互にバランスをとりながら、無意識のうちに体のあらゆる器官をコントロールしている。通常、活動が活発な昼間は交感神経のほうが強く働き、夜は副交感神経が強くなる。このようにどちらかの神経が優位になることで、健康状態を維持しているのだ。自律神経は、汗をかく、ホルモン分泌を調整する、心臓を動かす、呼吸をするなど、人間の生命を維持するうえで重要な役割を担っているが、異物である薬の影響を受けやすく、時にはそのバランスを崩すこともある。

 たとえば日々のストレスや疲れをごまかすために飲む薬や栄養剤。多くの人が「少しぐらいの不調なら、薬や栄養剤でなんとかなる」と考えて気軽に服用し、交換神経の働きを活発化させる。本来人間の体は、不調を感じると休息が必要になり、「副交感神経を強めたい」と無意識に主張するものだ。そのために熱やだるさといった症状が表に出ているのに、この類の薬や栄養剤はそれを封じ込めてしまう。

 また、交換神経が優位になって無理に体を働かせた結果、つらくなって薬を飲むという悪循環を繰り返すことにもなる。体の負担が増え、交換神経と副交換神経のバランスが損なわれると、さらに体調が悪化する可能性も出てくるだろう。

 ストレスや疲れで体調がすぐれないときは、薬や栄養剤を飲むよりも、美味しい食事やゆっくりと時間をかけた入浴、十分な睡眠を心がけ、副交換神経を優位にすることが健康な体への近道となる。

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宇多川久美子

宇多川久美子(うだがわくみこ)
薬剤師・栄養学博士(米AHCN大学)・ボディトレーナー
一般社団法人国際感食協会代表理事
ハッピー☆ウォーク主宰
NPO法人統合医学健康増進会常務理事
1959年千葉県生まれ。明治薬科大学卒業。薬剤師として医療の現場に身を置く中で、薬漬けの医療に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を活かし、薬に頼らない健康法を多方面に渡り発信している。その他、講演、セミナー、雑誌等での執筆も行っている。
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宇多川久美子(うだがわ・くみこ)

薬剤師、栄養学博士(米AHCN大学)、ボディトレーナー、一般社団法人国際感食協会代表理事、ハッピー☆ウォーク主宰、NPO法人統合医学健康増進会常務理事。1959年、千葉県生まれ。明治薬科大学卒業。薬剤師として医療の現場に身を置く中で、薬漬けの医療に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を活かし、薬に頼らない健康法を多方面に渡り発信している。その他、講演、セミナー、雑誌等での執筆も行っている。最新刊『薬を使わない薬剤師の「やめる」健康法』(光文社新書)が好評発売中。

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