調味料(アミノ酸等)は、食品衛生法で定められた同じ目的の添加物であれば表示を一括りにしてよいという「一括表示」のこと。
L−グルタミン酸Na(ナトリウム)、グリシン、DL−アラニンなど、さまざまな調味料の集合体だが、主体は昆布のうまみの本体とされるL−グルタミン酸Naである。かつては「化学調味料」と称されていたが、1990年代ころから、俗に「うまみ調味料」と称されるようになった。
うまみ調味料は、以前は化学合成でも作られていたが、現在ではサトウキビから砂糖をとるとき、結晶しない糖分の廃糖蜜(結晶化を繰り返してできるいわば残りかす)から作る方法が一般的だ。ある食品メーカーが開発した方法だが、バクテリアの遺伝子を組み替えて作り上げた菌によって、糖蜜からグルタミン酸を作り出す。このグルタミン酸を精製して、炭酸ソーダで酸・アルカリの中和反応によって「グルタミン酸Na(ソーダ)」という化学物質を作り上げる。
グルタミン酸は20種類のアミノ酸の1つ。白い結晶で、ほのかな酸味とうまみがあるが、そのものは味が薄いため食品工業では使用できない。ところが、完全な合成物質であるグルタミン酸Naは、グルタミン酸に比べて非常に強いうまみを出す。しかも塩分が存在すると、さらに強いうまみが感じられる。このような作り方で作られたものを、メーカーでは「サトウキビから作られたうまみ調味料」と称し、特定の遺伝子組み換え菌による製法を「味噌や醤油と同じ発酵製法」といっている。
遺伝子組み換えによる添加物はいろいろ輸入されているが、2011年12月に、カツオやシイタケのうまみといわれる核酸系うまみ調味料(リボヌクレオチドナトリウム)が食品衛生法の定める「安全性基準」の審査を受けずに輸入・販売されて問題になった。遺伝子組み換えによる食品添加物の輸入は、自己申告制なので申告がないと安全審査の対象にならないので、無審査で大量に輸入される恐れがある。グルタミン酸Naについては、遺伝子組み換え技術を使用していても最終物質がアミノ酸の純品であることから、「健康影響の評価」は受ける必要はなく、「遺伝子組み換え」の表示も不要となっている。同様に表示不要の添加物は多い。
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