国の悪策と都の無策!? 保健所はなぜ機能不全になったか

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保健所の機能不全はなぜ起こったのか?

 保健所は今機能不全状態、感染者を減らすための関所機能を果たしていない。感染爆発に対してほぼ白旗、だから益々感染者が増える。入院ができず、仕方なく自宅療養とされた感染者が激増し、悪化しても対処できない状況となっている。

 どうしてそうなったのだろうか。もちろん国の悪策と都の無策が根底にあるが、具体的な原因、キーとなる問題は何だろうか?変異株だから仕方がなかった?私はそうは思わない。

 貧弱な検査体制が、充実が叫ばれたが結局は脆弱なままの検査体制が、最大の要因、現場にいるとそれをはっきり感じる。

科学的根拠の伴わない疫学調査

 今の保健所の疫学調査は従来株の知見によっているが、それは検査に大きく支えられている。しかし、その従来株の知見による疫学調査は変異株では通用しない。新型コロナウイルスは変異し、従来株とは別のウイルスとなっている。それでも従来株と同じやり方に固執している。それは、検査体制がお粗末なことに起因する。

 大量に検査する体制が出来なかった、頻回に検査する体制が出来なかった、迅速に結果を返す体制が出来なかった、変異株を直ちにスクリーニングする体制が出来なかった、様々な検査を状況によって組み合わせる体制が出来なかった、ウイルスを定量化する体制が出来なかった、精度管理も不十分だったことに尽きる。

 つまり、疫学調査に検査という強力な科学的根拠が伴わなかったのだ。だから、海外で変異株という敵が猛威を奮い、その状況が既にわかっていたのに、検査体制が弱点となり、その敵に対応出来なかった。ウイルスという敵を甘く見てはいなかったか?敵は賢く、弱いところ弱いところを突いてくる。従来株の知見で押し通すことが、結局は保健所自身の首をしめてしまった。

これは検査万能主義を主張しているのではない。いかなる検査も限界があることは百も承知だ(感度、特異度、偽陰性、偽陽性)。しかし、新型ウイルスに立ち向かうときに検査は欠かすことのできない強力な武器であることに異論はないだろう。

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