シャンプーで洗い過ぎるとフケが出る!(depositphotos.com)
肩にパラパラと落ちてくる白いフケ。フケが出ている人は「不潔」「髪をきちんと洗っていないのではないか」と疑いの目を向けられるだろう。しかし、真相は違うらしい。
「シャンプーで髪を洗わないからフケが出るのではありません。逆にシャンプーが原因になっている場合もあるのです」
そう話すのは『10万円のクリームより効く「何もつけない」美肌ケア』(マキノ出版)の著者である医療法人社団躍心会「江北皮フ科」院長・池田大志医師(皮膚科)。
シャンプーを使わないようにするだけで、フケやかゆみだけでなく、抜け毛が減って髪の毛のボリューム感が増すのだそうだ。シャンプーを使わずにお湯だけで頭皮を洗う「湯シャン」を実行している池田医師に、その効果を聞いた。
シャンプーを使わなくても、頭皮や髪の毛の汚れは、ぬるま湯で洗い流せる
『10万円のクリームより効く「何もつけない」美肌ケア』(マキノ出版)
フケやかゆみ、抜け毛といった頭髪にかかわるトラブルは、「頭皮のバリア機能の低下」が原因だと池田医師は指摘する。頭皮もほかの部位の皮膚と同様、いちばん外側にある「角質層」が、外部から異物が侵入することを防ぐとともに、内部から水分が蒸発することも防いでいる。
これを「皮膚のバリア機能」という。角質層の上は、皮脂と汗が混じり合った皮脂膜でカバーされ、バリア機能が強化されている。「シャンプーには、水と油をなじみやすくする『界面活性剤』が含まれています。界面活性剤がバリア機能に悪影響を与えるのです」と池田医師は語る。
「シャンプーで皮脂や角質層の保湿成分が洗い流されると、頭皮のバリア機能が低下して、炎症が起こります。その結果、フケやかゆみが発生するのです。かゆいからと、シャンプーをつけた状態で頭皮をゴシゴシとこすると、角質層が破壊されてしまいます。加えて、『毛包』と呼ばれる毛穴の部分で炎症が起こったら、髪が抜けやすくなり、毛髪の成長障害も引き起こされます」
頭がかゆいときには、シャンプーでゴシゴシ洗うと頭皮の毛穴までスッキリするような爽快感がある。しかし、頭皮の角質層を傷つけて、さらなるフケやかゆみを引き起こしているのだ。
「頭皮や髪の毛の汚れは、ぬるま湯で洗い流せます。シャンプーを使わなくても、不潔になることはありません」と池田医師。フケやかゆみなどがなければ湯シャンにする必要はないが、頭皮や毛髪のトラブル対策として知っておいてほしいと語る。