インフルエンザを甘く見てはいけない 合併症リスクを指摘、予防接種徹底を

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

頚動脈解離の発症率とインフルエンザ罹患が関連

 もう一つの研究は、同大学のMadeleine Hunterが実施した研究だ。Hunter氏らはBoehme氏らの研究と同じデータを用いて、非外傷性の頸動脈解離を起こした男女3,861人(平均年齢52歳、男性55%)を対象に調査した。

 頸動脈解離を起こす前の3年間で、対象者のうち1,736人がインフルエンザ様疾患に罹患し、そのうち113人がインフルエンザと特定された。そして、頸動脈解離の発症率はインフルエンザ様疾患にかかった1~2年後に比べて、30日以内のほうが高いことが分かった。

 従来の研究によれば、非外傷性の頸動脈解離は15~45歳で起きる脳卒中の主な原因であることが明らかになっているが、大きな外傷もなく頸動脈の解離がなぜ、どのようにして起こるのかは解明されていない。

 Hunter氏は「頸動脈解離のリスクがインフルエンザ様疾患を発症後、時間の経過とともに消失していくのは、インフルエンザ様疾患が頸動脈解離の引き金になる可能性を示唆している」と説明する。

 これら2つの研究をレビューした米ニューヨーク大学医学部内科教授のMarc Siegel氏は、「インフルエンザに罹患すると過剰な免疫反応を引き起こし、血液凝固や頸動脈の損傷につながる恐れがある。インフルエンザの問題は、インフルエンザに罹ることだけではなく、生命に危険を及ぼす合併症を引き起こすことにある。予防接種が重要だ」と述べている。

 今回の研究で明らかになったように、インフルエンザは生死に関わる脳梗塞や頸動脈解離を招く危険性があり、単に一過性の感染症という問題だけではないということだ。

 インフルエンザに罹らずに暮らせれば幸いだが、春先までB型を中心に流行は続く見込み。罹ったら「仕事も学校も休む」「よく寝て回復を待つ」「咳エチケットを守る」「人混みに行かない」、この基本を忘れず安静にしてほしい。
(文=編集部)

胃の不快感の多くは実は「機能性ディスペプシア」という病気
日本初の『胃弱外来』開設」後編:巣鴨駅前胃腸内科クリニック・神谷雄介院長

前編『大病院を転々した末にたどり着く「胃弱外来」 初診から約1カ月で8割の患者の症状が改善』

胃痛やもたれ、むかつきなどの症状があっても、検査の結果異常がないと診断され悩みを抱える患者さんが少なくない。こうした胃の悩みを抱える人たちのために開設したのが胃弱外来。患者さんの多くは新しく認知された『機能性ディスペプシア』や『胃食道逆流炎症』などの疾患だ。その具体的な治療法について話を伺った。

Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

くにたち駅前眼科クリニック院長。1986年、東京…

高橋現一郎

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授…

西郷和真

フィットネスアドバイザー。JT東京男子バレーボー…

村上勇