深い「ほうれい線」も改善する皮膚再生治療とは?(depositphotos.com)
PRP(自己多血小板血漿:Platelet Rich Plasma)という治療法を聞いたことがあるだろうか? 自己血から採取した血小板を濃縮し、傷やシワなどの患部に注入。傷やほうれい線、シワなどを改善していく。しかし効果には個人差があり、結果への満足度は5割程度に留まっていた※。(※聖心美容クリニック調べ)
しかし、このPRPにFGF(細胞増殖因子:Fibroblast Growth Factors)という成長因子を加えることで効果が高まり、作用も長期間持続することがわかっている。
皮膚の再生医療である「FGF添加PRP療法」について豊富な治療経験を持つ、聖心美容クリニック・鎌倉達郎統括院長に詳しく話を聞いた。
成長因子を加えることで高い満足度を得る
そもそも血小板を濃縮することで、どうして皮膚が再生されるのだろうか? その謎は、血小板が傷を治すメカニズムを理解するとわかる。
人の身体は傷ができると、まず血を止めようとする。止血するための材料を持った血小板が集まってきて、患部にペタペタと張り付く。そして次に、血小板が何種類かの成長因子を放出して、傷を修復するための細胞が集められる。そうすることでコラーゲンが作られ始め、傷が治ってゆく。このメカニズムを利用するのがPRP療法だ。
では、どうして成長因子を添加すると効果が高まるのだろうか?
「FGF添加PRP療法では、自己血から採取して3〜8倍に濃縮した血小板に、血小板から成長因子を出やすくする薬剤を一緒に注射する。そうすると信号が繊維芽細胞に伝わりやすくなり、素早くコラーゲンを作り始める。深いシワは、コラーゲンの塊である真皮層の断裂なので、コラーゲンが生成されることでシワが改善されるというメカニズムです」と鎌倉統括院長は解説する。
【50代女性・ほうれい線の若返り】写真左:FGF添加PRP療法(治療前)/写真右:FGF添加PRP療法(治療3か月後)
FGFを添加しないPRP療法単体だと、効果に満足していると回答した患者さんがおよそ5割に留まるというデータがある※。血小板の働き(成長因子の出方)には個人差があるため、FGFを添加しないPRP療法単体では満足度にはバラツキが見られるのだという。(※聖心美容クリニック調べ)
次のページでは治療を受ける際の医療機関の選び方などについて解説する。