離婚や家族の死などストレスフルなライフイベントで脳が4カ月老化することが判明

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ストレスでテロメアの短縮が加速

 テロメアは、ヒトの健康寿命に大きく関わる。Hatton氏の説明にある「ヒトは、ストレスが多くのしかかる出来事を経ると、染色体の末端に位置するテロメアの短縮が加速する」という傾向は、従来の研究でも示唆されてきた。

 「ストレスフルなライフイベントが生じた場合、それが原因で食べられなくなったり、日々眠れなくなる人は少なくない。要はライフイベントそのものではなく、それが起こった際のネガティブなこうした反応が脳に悪影響を与えるのではないかと思う」

 これは今回の研究論文に対し、米ノースカロライナ州立大学チャペルヒル校のDaniel Kaufer氏が、専門家の立場から寄せた見解の一部だ。

 なぜ、研究の対象が白人男性層になったかは、論文上でも特に触れられてはいない。しかし、Hatton氏の主張によれば、「われわれの研究結果は、女性層や他の人種層にも当てはまる可能性が高い」という。

健康的な生活習慣で「脳の老化」は抑えられる?

 その一方でHatton氏は、「健康的な生活習慣(の見直し)で、ネガティブなライフイベントに伴う脳の老化リスクは抑えられるかもしれない」とも述べている。

 この見解には、前出のKaufer氏も同意を示してこう語る。

 「つらい出来事を経験した際の反応には、個人差がある。食事に代表される生活習慣に関連した因子は、脳や身体の反応に長期的な影響を及ぼすと考えれるからだ」

 「レジリエンス(resilience)」という言葉をご存じだろうか。これは「脆弱性(vulnerability)」の反対概念で、自発的治癒力の意味。「抵抗力」「耐久力」「復元力」あるいは「精神的回復力」とも訳されるが、自然的ではなく自発的である点が肝要だ。

 「このレジリエンスを強化することで、ストレスフルな状況下でも前向きに対処できる可能性があるのです。今回の研究結果は、そのような治癒的介入についてもヒントを与えてくれたといえる」とkanfer氏。

 レジリエンス――。言葉を知ったから健康になれるというものではないが、希望を感じさせてくれる概念だ。ストレスフルな現代人は、日々の生活に銘記しておきたい。
(文=編集部)

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