米国で「電子タバコ」などの安全性に関するデータの提出期限が延期に(depositphotos.com)
「大人の喫煙率は、男性が6割/女性が4割」という高い数字を聞いたら「どこの国の話?」と首を傾げる方が多いだろう。
じつはこの数字、静岡市内7校の中学に通う男女生徒1160名に「大人の喫煙率は何%と思うか?」という設問を集計した結果なのだ。
調査を実施した静岡市保健所の加治正行所長によれば、10~90%の間で10%刻みで回答を求めたところ、「男性90%」を選んだ生徒も、男子生徒で32人、女子生徒で13人もいた。
しかも「将来(自分も)タバコを吸いたい」と考えている生徒ほど、高率な推測をする傾向も読み取れたそうだ。
昨年(2017年)、日本タバコ産業(JT)が調査した実際の喫煙率は、「男性が28.2%/女性が9.0%(全体で18.2%)」。生まれた時からコンビニや自動販売機で、タバコの売買を目にしている現代の中学生たちは、実際よりも「大人の喫煙率は高い」と誤解しているようなのだ。
さて、以下で紹介するのは、タバコをめぐる米国の最新規制事情だが、上記の静岡での例がまんざら関係なくもない。
米食品医薬品局の「煙期」の「延期」で大荒れに
iQOSが大ブレイク中の日本と、いまだiQOSの販売許可が下りていない米国間の看過できない問題点とは何か? 順を追って説明しよう。
3月27日、米食品医薬品局(FDA)が訴えられた――。天下のFDAを相手取り「公衆衛生に脅威をもたらす先延ばしである!」と連邦裁判所(メリーランド州)に提訴したのは、米国小児科学会(AAP)など、複数の学会や団体だ。
その一部の名を挙げれば、米国がん協会がんアクションネットワーク(ACS CAN)、米国心臓協会(AHA)、米国肺協会(ALA)、米国に本拠を築く反タバコ団体の「キャンペーン・フォー・タバコフリー・キッズ」……。それぞれの名称を見ても、FDAにとっては手強そうな布陣だ。
なぜ、こんなことになったのか?