障害者の職場は「助成金」頼り? 事業所閉鎖で浮き彫りに「不自然な障害者ビジネス」

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事業所の7割は助成金頼り

 もともと岡山県は、精神障害者の就労に関して、古くからあった「職親制度」や「精神障害者社会適応訓練事業(社適)」などの制度の下、かなり進んでいた地域だった。

 これらは国からの助成金が乏しい時代から続いていた。しかし、助成金が支給されるようになると「それなら……」といい加減な業者も参入してきたという。

 前出の岡山の事業所が立ちゆかなくなった背景には、運営が不適切な場合は、厚生労働省が指定の取り消しをすることも視野に入れ、運営状況の監督を強化してきたことがある。

 就労継続支援A型事業所は全国に3000カ所以上ある。そのうちの7割は、事業活動の利益だけでは利用者の賃金をまかなえず、助成金頼りの運営になっているのが実態だ。

 適切なサポートによって、障害者でも利益の出る商品やサービスを生み出すことができるはず。だが、現実にはうまくいかないところが多い――。

 ある程度の助成金頼りは仕方がないのかもしれないが、福祉とビジネスはどのようにすれば両立できるのか? 障害者の通所施設にも経営努力が求められている。
(文=里中高志)

里中高志(さとなか・たかし)

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大正大学大学院宗教学専攻修了。精神保健福祉ジャーナリストとして『サイゾー』『新潮45』などで執筆。メンタルヘルスと宗教を得意分野とする。著書に精神障害者の就労の現状をルポした『精神障害者枠で働く』(中央法規出版)がある。

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