牛乳は本当に子供の成長に良い? 成分無調整の日本の牛乳ではカルシウム不足に!?

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十分なカルシウムを摂取するためには、やはり牛乳がベスト?

 こうして考えてみると、十分なカルシウムを摂取するためには、牛乳をはじめとする乳製品はやはり便利な食材です。乳製品以外でカルシウム豊富な食材を調べてみると、茹でた小松菜は100g中150mg、鯖の水煮缶は260mgのカルシウムを含んでいます。

 しかし、幼児がこれほどの野菜や魚を食べるのは難しいでしょう。乳牛の生育環境や飼料など、気にし始めるとキリがない部分もありますが、カルシウム不足になるよりは、牛乳1~2杯を飲むのは良いことだと思います。

 また、乳糖不耐症といって、乳糖を分解する力が弱いタイプの人もいます。乳糖不耐症があると、特に冷たい牛乳を一気に飲んだりした時、お腹が張ったり、腹痛や下痢が起こったりします。このため、乳糖不耐症が多い日本人に、牛乳は「合わない」という意見もあります。

 しかし、少し温めてあげたり、ゆっくりコップ1杯分を飲ませてあげる分には、症状が無い場合がほとんどです。症状のない子が牛乳を控えなければいけない理由もありません。牛乳ですぐにお腹がゴロゴロする子は無理に牛乳を飲む必要はありませんが、その場合でも、ヨーグルトは食べることができる場合が多いようです。

牛乳の代わりにフォローアップミルクを試してみる

 結局、いくら食べても体に良い食材はありません。どんなものでもバランス良く適量を食べ、十分な栄養を摂取するのが大切です。牛乳は1日に1~2杯飲むことで効率的にカルシウムを摂取することができますが、他の食事からもカルシウムや鉄分・ビタミンDを摂取することが大切です。

 栄養素の補給として考えれば、1歳以降は、育児用ミルクから牛乳に切り替える代わりに、フォローアップミルクを飲ませるのも良いと思います。特に鉄分は不足しがちな傾向にあるので、気になる方はお家ではフォローアップミルクにしてもいいかもしれません。市販の栄養素を強化した牛乳は、子供にはカルシウム・鉄や葉酸などが多すぎる場合もあるので、フォローアップミルクの方が無難でしょう。

 乳製品のアレルギーがあるときは、植物性ミルクを上手に使うことで、食事のバリエーションも増えると思います。その場合も、他の食材からカルシウムやタンパク質を十分に摂取できるよう、心がけてみて下さいね。
(文=森田麻里子)

森田麻里子(もりた・まりこ)
南相馬市立総合病院麻酔科医師、子供の睡眠コンサルタント。2012年、東京大学医学部卒業。2012年、亀田総合病院での初期研修を経て、2014年、仙台厚生病院麻酔科、2016年より南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。

【注1】Moore LL, BraDlee ML, Gao D, Singer MR. Effects of average chilDhooD Dairy intake on aDolescent bone health. J PeDiatr. 2008;153(5):667-73.
【注2】GolDen NH, Abrams SA, Committee on N. Optimizing bone health in chilDren anD aDolescents. PeDiatrics. 2014;134(4):e1229-43.
【注3】Lee GJ, Birken CS, Parkin PC, Lebovic G, Chen Y, L'Abbe MR, et al. Consumption of non-cow's milk beverages anD serum vitamin D levels in early chilDhooD. CMAJ. 2014;186(17):1287-93.

医療ガバナンス学会発行「MRIC」2018年4月5日日より転載

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