偽装民泊という新手の犯行
上記の「その他の犯罪(性犯罪以外の前科も含む)」を除けば、盗撮は26.6%の再犯率とのことだが「常習犯」と「余罪」の多さが際立っていると統計は物語る。
過去記事(痴漢は「依存症」である~常習者の歪んだ認知「仕事を頑張ったから痴漢は許される」!?)で紹介した大森榎本クリニック(東京都)の精神保健福祉部長で精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏によれば、これまで同クリニックに、痴漢を含む「性犯罪加害者」が「患者」として1000人以上も訪れているという。
その約半数は「1回の受診だけ」で、あとは来なくなったそうだ。ところが3年間、治療に通い続けた患者層に限ってみれば、その再犯件数は「ゼロ」を数えている。
「やはり治療プログラムの効果はあるので、被害者をこれ以上増やさないためにも、治療できる受け皿や専門家をさらに増やしていく必要があります」(同クリニック・斉藤章佳氏)
「受け皿」といえば、盗撮関連のこんな最新の事件が報じられた――。
福岡・博多区のマンションで10カ月間も許可なく「民泊」を営業していた48歳の男(不動産会社経営)が、火災報知器状の隠しカメラを設置して、韓国人の宿泊客2人を盗撮した。
男は旅館業法違反と軽犯罪法違反の疑いで書類送検されたが、手続きの面倒さから無許可営業し、防犯目的のカメラで「のぞき見できると思い、ベッドのほうに向きを変えた」と容疑を認めた。
これに類似先行し、「そこまでやるか!」と驚く盗撮目的からの民泊経営事件は、昨秋も報じられた。いずれの容疑もスマホ因果説と同様、「民泊」という新たな時代の受け皿登場が巻き起こした性的欲望の具現化事件だといえよう。
(文=編集部)