世界の「がん患者の5年生存率」国ごとに格差 生存率が高い国は?

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日本人のがん5年生存率は62.1%、男性は59.1%、女性は66.0%

 小児がんの生存率が高まらない! この厳しい現実はとりわけ重い。日本のがん死亡数、がんの部位、がん生存率を見よう。

 2016年、がんで死亡した人は37万2986人(男性21万9785人、女性15万3201人)。2016年の死亡数が多い部位は、その上位から順に「①肺」「②大腸」「③胃」「④膵臓」「⑤肝臓」(男性は「①肺」「②胃」「③大腸」「④肝臓」「⑤膵臓」。女性は「①大腸」「②肺」「③膵臓」「④胃」「⑤乳房」)となっている。

 男性は、40歳以上で「消化器系のがん(胃、大腸、肝臓)」の死亡が多いが、70歳代以上では「肺がん」と「前立腺がん」が増加する。女性は、40歳代では「乳がん」「子宮がん」「卵巣がん」の死亡が多いが、高齢になるほど「消化器系(胃、大腸、肝臓)」と「肺がん」が増加する。

 2016年の部位別のがん死亡率(1年間に人口10万人あたり)は、男性が361.1、女性が238.8。 男性は、特に「口腔・咽頭」「食道」「胃」「肝臓」「喉頭」「肺」「膀胱」の死亡率が女性より高いが、「甲状腺」の死亡率は女性が男性より高い。

がんで死亡する累積死亡リスクは、男性が4人に1人、女性が6人に1人

 2016年、がんで死亡する累積死亡リスク(ある年齢までに、ある病気で死亡する、おおよその確率)は、男性が25%(4人に1人)、女性が16%(6人に1人)。

 次に生存率を見よう――。2006年から2008年にがんと診断された人の「5年生存率」は62.1%(男性が59.1%、女性が66.0%)。部位別の生存率は、「皮膚」「乳房(女性)」「子宮」「前立腺」「甲状腺」が高く、「食道」「肝臓」「肺」「胆のう・胆管」「膵臓」「脳・中枢神経系」「多発性骨髄腫」「白血病」は低い。また、「小児がん(0~14歳)」の10年生存率は、男性が73.2%、女性が79.3%。AYA世代(15~29歳)の10年生存率は男性が66.0%、女性が75.3%だった。

 サバイバー5年生存率(がんと診断されてから年数別の生存率)は、「胃」「大腸(結腸および直腸)」「膵臓」「肺」のがんでは、診断からの年数が経過するにつれて高くなる。一方、生存率が低い「膵臓がん」「肺がん」のサバイバー5年生存率は80%と高い。だが、「肝臓がん」は40%程度に止まっている。

 いかがだろう? がん治療の研究が進めば進むほど、がん生存率は上がる。日本人のがん5年生存率は62.1%。男性が59.1%、女性が66.0%だ。だが、小児がん(0~14歳)の10年生存率は、男性が73.2%、女性が79.3%と高止まりしているのは希望が持てる。AYA世代(15~29歳)の10年生存率が、男性が66.0%、女性が75.3%という数字も力づけてくれる。
(文=編集部)

*参考:国立がん研究センターがん情報サービス最新がん統計(2017年12月08日)。

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