全米で話題のダイエット「CICO」に非難続出(depositphotos.com)
仲間とわいわい言いながら頬ばるジャンクフードも、給料日の「ご褒美」についつい大人買いしてしまうスィーツ類も遠慮なく、どうぞどうぞ――。ただし、一つだけシンプルなルールを守って欲しい。
毎日必ず摂取カロリーを計算してメモし、それを上回るカロリーを運動で消費してくださいね。そうすれば減量ができますよォ~。
そんな、常に「楽して痩せる」方法を探し求めている(そのじつ三日坊主な)減量志願者ならば躊躇なく飛びつきそうなダイエット法、略してCICO(Calories In, Calories Out)が全米で話題を呼んでいる。
CICOの考え方や実践法は前記のとおり、「毎日必ず摂取カロリーを計算してメモし、それを上回るカロリーを運動で消費する」、それ以上の余計な決まりや対策を必要としない極めて簡易なもの。
それゆえのCICO旋風席捲というわけだが、その人気を懸念して「誤り」を指摘する専門筋からの否定的な見解が数々寄せられている。
第一に、CICOでは「栄養バランス」がまるで考慮されていない点がやり玉にあげられている。確かに野菜も果物も、ケーキもキャンディーもOK、さらには加糖飲料も気にせず召し上がれ――すべてが同レベルに扱われている点は、確かに素人でも大丈夫かと疑ってしまう。
CICOは「その場しのぎの考え方」でリスク増
「そもそも、健康のためには減量さえすればいいというわけではありません。CICOで減量は可能でしょうが、栄養不足ないしは栄養失調に陥る可能性も否めません」
上記は米テキサス大学サウスウェスト医療センターのLona Sandon氏(臨床栄養学)の指摘だ。
「食品を選ぶ際、栄養バランスに注意しないと身体が必要とする全ての栄養素を摂取できずに結果、骨粗鬆症やがん、心疾患などのリスクが上昇してしまうのです」(同前)
Sandon氏は、CICO的な楽観性を「その場しのぎの考え方」と否定し、やはり健康的な食事と運動を組み合わせた方法を選んで「時間をかけて減量するのが望ましい」と奨める。
減量には「週300~400分の運動が必要」とか。種類は「息が切れるくらいの速さ」でのウォーキングやランニング、水泳、サイクリングなど、どれでも構わないが、「有酸素運動とレジスタンス運動(筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動)を定期的に行なうこと」を推奨し、食事についてはこう教えてくれる。
「1皿分の量を減らすか、1食分の量が決まっている冷凍商品を利用して全体的な食事の量を抑えるのも得策ですね」