<リアル陸王>=「ビブラムファイブフィンガーズ」を体験
劇中に登場した老舗足袋製造会社「こはぜ屋」の「陸王」、ライバル企業「アトランティス」のシューズを製作・提供したのは、スポーツメーカーの「ミズノ」。ドラマのストーリーの要となった「陸王」には、SNSやツイッターなどで商品化を望む声が挙がっているという。
しかし、市販する商品化となると、生産面でクリアしなければならない問題点が多く、現状では難しいようだ。
「どうしても『陸王』を履いてみたい!」そういう人には、ビムラム社製の裸足感覚5本指シューズ「Vibram Five Fingers・(ビブラムファイブフィンガーズ)」をお勧めしたい。
じつは、「ビブラムファイブフィンガーズ」はドラマ『陸王』第1話のワンシーンに登場している。裸足に近い5本指のシューズは、足裏を最低限守りつつ、足の機能を一切邪魔しない。これまでにない開放感を味わえると、アスリートをや健康意識の高い人に評判だ。
「ヒトの身体(足)には元来、衝撃吸収機能が備わっています。足首から下には28(=両足で56)の骨があり、体全体の約200ある骨の4分の1を占めている計算になる。これらの骨が筋肉と腱で結ばれており、地面からの衝撃を和らげるのです」
その効用を語るのは、裸足ランニング実践家にして『Vibram FIve Fingers』の日本で唯一の直営専門店「Vibram Island」(沖縄県那覇市)を今秋オープンさせた砂川伸彦氏だ(参考:facebook『Vibram Island』)。
裸足もしくは裸足感覚のシューズで走るのが「ベア・フットランニング」。その走法の3大ポイントは次のとおりだ。
①足よりも先に身体の上体を先に移動させ、身体の真下で着地する。
②地面を蹴らず、着地した時の反動を利用して跳ね上がる。
③足を上げる時、身体に対して真っすぐ上に引き上げる。
裸足の効能は太古の時代から
また、日本ベアフット・ランニング協会代表理事の吉野剛氏は『陸王』第1話の鑑賞後、自らの体験を述懐しながら、次のような談話を寄せている。
「番組では今年のビムラムの実際に使われているカタログも登場していましたね。実は自分も7~8年ほど前、地下足袋の会社に直接出向いてはマラソン足袋を復活させようと実際に動いたのですが……ドラマ同様、その開発費用がハンパでないために諦めたのを思い出しました。ですから、なんか自分にとっては凄く親近感のわく内容でしたね」
各地で「裸足ランニング講習会」を開催してきた砂川伸彦氏は、次のように補足する。
「なにも裸足で走れば、裸足感覚の底の薄いシューズで走れば、すぐにケガがなくなり、すべての問題が解決するというわけではありません。ケガの多い現代の走りが、モノに頼り過ぎた走りになっているのではないか……」
「ヒトが本来持ち備えている機能を呼び覚ますこと、それがケガの少ない走りに繋がるのではないか、ということです」
劇中でも、ケガに悩まされた茂木選手を救ったのが、足裏全体を使って着地する「ミッドフット走法」。マラソン足袋「陸王」によって走法が安定し、最終話では奇跡の勝利に結びついた。
登山靴の開発とともに発展してきた「ビブラムソール」を供給するビブラム社製ゆえ、「ファイブフィンガーズ」は極限までソールは薄いが、見た目以上に丈夫だ。カラバリも含めてラインナップも100種類以上と充実している。
ちなみに、劇中で役所広司さんが手にしたのは、ランニングモデルの『V-RUN』(Orange)。前述の直営専門店『Vibram Island』では、同モデルをはじめ、全21モデル(92カラー)を取り揃えており、説明を受けながら試着もできる。
ドラマに魅了された視聴者は、感動の余韻とともに<リアル陸王>を体験してみるのも一興である。
(文=編集部)