「電子タバコ」と「非燃焼・加熱式タバコ」の違いは?
だが、非喫煙者にとっては、「加熱式タバコ」「電子タバコ」との違い自体がよく分からない――というも少なくないだろう。
そこで話は前後したが、次の話題に絡めてそのあたりの事情を説明しておこう。
まず「電子たばこ(E-cigarettes)」の定義を「日本呼吸器学会公式サイト」から引用すると、以下の2種類がある。
(1)液体(リキッド)を加熱してエアロゾルを発生させて吸引するタイプ
(2)液体(リキッド)には、ニコチンを含むものと含まないもの
※注:海外ではニコチン入りリキッドが販売されている。一方、日本では、医薬品医療機器法(旧薬事法)による規制により、ニコチン入りリキッドは販売されていない。
一方の「非燃焼・加熱式たばこ(Heat-burn tobacco)」の定義を同サイトから引用すれば、以下の2種類に分けられる。
(1)葉タバコを直接加熱し、ニコチンを含むエアロゾルを吸引するタイプ(商品名「iQOS」「glo」)
(2)低温で霧化する有機溶剤からエアロゾルを発生させた後、タバコ粉末を通過させてタバコ成分を吸引するタイプで、電子たばこに類似した仕組み(商品名「Ploom TECH」)
ちなみに文中の「エアロゾル(aerosol)」とは、気体中に浮遊する<微小な液体>あるいは<固体の粒子>の意。
日本呼吸器学会は「新型たばこも推奨できない」と公表
で、日本呼吸器学会はこの度、前出の公式サイト上でこうした「新型タバコ」(=「電子タバコ」と「非燃焼・加熱式タバコ」の総称)に対する見解として、「(使用者にも受動喫煙者にも)推奨できない」と公表した。
もちろん、新型タバコの使用と受動喫煙による病気/死亡リスクの関連性はいずれも、エビデンスが得られるまでには今後もかなりの時間を要する。
だが、それらの嗜好人口が急速に増加の一途にある昨今の対健康情勢を鑑み、日本呼吸学会も「推奨できない」という見解を示したことは明らかだろう。
とまれ、最後に「新型タバコ普及の立役者」であるiQOSの意外な話題を紹介して筆をおこう。実は発売元のフィリップ・モリス社は現在、この超人気商品の販売申請を米国食品医薬品局(FDA)に出している最中なんだとか。
そう、フィリップ・モリス社は本社をニューヨークに構えながら、世界中に公称370万人の愛好家がいるというこの大ヒット商品の販売許可を、肝心の本国アメリカでは、いまだ認められていなかったのだ。
(文=編集部)