ピロリ除菌で使われる胃薬で胃がんリスクが上昇する?長期使用で胃がんリスクが約24倍

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

胃がんの発症リスクのはどちらが大きいのか?

 一方、米スタテン・アイランド大学病院のSherif Andrawes氏は「胃がんリスクのわずかな増大を理由にPPIの使用を中止する必要はない」と指摘。「PPIによる治療をしないことによる消化管の他の部位での出血やがん発症のリスクと比べれば、PPIの副作用によるリスクの方が小さく、PPIが必要不可欠な場合もある。例えば、バレット食道の患者の食道がん予防には胃酸を抑制するPPIが有効だ」と説明している。

 ただし、同氏らも胃酸の逆流がみられるだけの患者に対してはPPIを処方する前に生活習慣の是正や食事の改善を促す努力をしていると話している。

 日本人のピロリ菌感染者の数は日本人の半数にあたる約6000万人とも言われている。

 除菌療法が保険適用となるのは、ピロリ感染胃炎、胃潰瘍または十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がんに対する内視鏡的治療後などだ。

 ピロリ菌除去の薬として、あるいはその後の副作用の緩和のために使われるPPIが胃がんのリスクを高めるというなんとも皮肉な研究結果だ。
(文=編集部)

バナー1b.jpeg
HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法
世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長

前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』

毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…

内田千秋

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子