ヨガと有酸素運動の組み合わせは「心臓病患者」に有益(depositphotos.com)
多忙な上に、絶えず病原体などにさらされながら仕事をしている医師や看護師。そんな医療関係者の取材の際、「ご自身の健康維持の秘訣は?」と尋ねると、返ってきた答えでけっこう多いのが「ヨガ」だ。病院のフリースペースでヨガレッスンで行われるケースは少なくない。
確かに「ヨガを始めたら抗がん剤の副作用が軽減」「うつ病が改善」など、病気予防・改善効果の報告を医療現場の周辺でよく耳にする。
インドの伝統医学であるヨガは、多くの海外セレブが生活に取り入れているだけでなく、今やすっかり現代医学とも融合している印象だ。ヨガがどのような病気に効果を発揮するのか、国内外でさまざまな検証が行われている。その一部を紹介しよう。
耳鼻咽喉科や産婦人科でも「ヨガ」
ヨガ好きが高じたのだろうか、ヨガのインストラクターとして活躍する医師たちがいる。その1人の耳鼻咽喉科医は、自身が患った病気からヨガで快復できた経験から、患者にもヨガを教えていた。
耳鳴り・鼻炎といった耳鼻咽喉科が専門の病気は、意思とは無関係に体の働きをコントロールしている「自律神経」が大きく関係している。ストレス・不規則な生活などで自律神経のバランスが崩れると、耳や鼻には器質的な障害がなくても不快な症状が現れてくるのだ。
ヨガには自律神経を整える効果がある。もう少し詳しくいえば、私たちが通常「ヨガ」と呼んでいるのは「アーサナ」というポーズ(体位法)で、1つの段階に過ぎない。アーサナができるようになると、上の段階の「呼吸」に変化が現れるのだと、ヨガインストラクターも務める医師は語る。
呼吸が変わることで、自律神経を整える効果が得られるという。ヨガの世界は深遠だ。
ヨガが取り入れられているのは耳鼻咽喉科だけではない。「マタニティ・ヨーガ」として妊婦を対象にヨガのクラスを開いている大学病院の産婦人科がある。乳がん治療の患者を対象にヨガのクラスを設けている大学病院もあった。
さまざまな医療の分野に、日本でもヨガが取り入れられているのだ。