障害児の母親が安心して子どもを預けて仕事ができる複合施設「おやこ基地シブヤ」開園

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障害のある子の母親に立ちふさがる「小1の壁」

 障害児保育園も病児保育室も、ともに渋谷区では初めての設置となる。

 「おやこ基地シブヤ」の開設を準備してきた、認定NPO法人フローレンスの小規模保育事業部マネージャーの山口裕介氏は、「どんな子にも保育の光が届くように、お母さん一人ひとりの悩みを受け止めて、一緒に育てていける施設にしたい」と抱負を語る。

 障害児も健常児もともに過ごすこの施設で、ひとりでも多くの母親が安心して子育てができるようになることを期待したい。

 もっとも、障害のある子の母親にとって、保育園と同じかそれ以上の困難に立ち向かわざるを得なくなるのが、小学校入学にあたっての「小1の壁」だ。

 医療的ケアの必要な子どもの多くは特別支援学校や特別支援学級への入学を余儀なくされる。だが、学校で子どもを預かってもらえる時間は、保育園よりも短くなることがほとんど。

 保育園によって常勤が可能にだった母親でも、小学校入学にあたって再び仕事を辞めざるを得なくなるケースも多い。

 放課後も子どもを預けられる環境の充実と同時に、企業の側からも夕方以降の在宅ワークを可能にするなど、社会全体が障害児保育という問題に対応できるように変化していくべきだ。

 ダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(包摂)といった言葉がもてはやされているが、どのような子どもでも安心して子育てできる社会になって初めて、それらの言葉が真に現実のものとなったと言うことができるだろう。
(取材・文=里中高志)

里中高志(さとなか・たかし)

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大正大学大学院宗教学専攻修了。精神保健福祉ジャーナリストとして『サイゾー』『新潮45』などで執筆。メンタルヘルスと宗教を得意分野とする。著書に精神障害者の就労の現状をルポした『精神障害者枠で働く』(中央法規出版)がある。

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