中国東北住民が北朝鮮の核実験による放射能汚染に強い不安を訴えている(depositphotos.com)
北朝鮮は9月9日、69回目の建国記念日を迎える。韓国の李洛淵(イナギョン)首相は、北朝鮮建国記念日に新たな大陸間弾頭ミサイルを発射する可能性を示唆するなど緊張が高まっている
9月3日に実施された核実験の爆発の規模は「広島の原爆の10倍以上」にあたると報道されている。そんな実験が行なわれているのであれば、周辺に影響が無いはずがない――。
中国の内部情報に詳しい「大紀元時報」によると、中国東北部の遼寧省瀋陽市、吉林省延吉市や白山市で強い揺れが観測された。市民らは今、核実験による放射能汚染に不安を感じているという。
また、大紀元の取材に対して住民は、中国当局が北朝鮮の核問題に対して「口で抗議しているだけ」「暗に実験を指示しているのでは」と強い不満を口にした。
北朝鮮の核実験場から中国吉林省長白山まではわずか60数キロ
北朝鮮の核実験場がある咸鏡北道吉州(ハムギョンプクドキルジュ)郡豊渓里(プンゲリ)から、中国吉林省長白山(朝鮮名:白頭山)地区までの距離はわずか60数キロ。
今回の北朝鮮水爆実験で、中朝国境に近い地域だけではなく、吉林省、遼寧省と黒龍江省の3省の広い範囲で揺れが観測された。国内インターネット上では、東北地域のネットユーザーが相次いで、揺れの様子を投稿し、「ビルが揺れている。怖すぎる!」「もう海外に移民するしかない」などと書き込んだ。
遼寧省瀋陽市の胡さんは大紀元に対して、3日当日に揺れを感じて「最初地震だと思った」が、ニュースで北朝鮮の核実験だと知ったと話した。「今、ここに住む皆は放射能汚染があるかどうか、東北部の環境にどう影響しているかと非常に心配している」。また「北朝鮮が核実験を続けている。私たちにとって、今後(米国などの武力行使による)戦争の影響がないとしても、健康面では放射能による影響が出るだろう」と不安そうに言った。
吉林省延吉市の邢さんによると、多くの市民は強い揺れが北朝鮮の水爆実験によるものだと知った後、口を揃えて「また金三胖(金正恩の蔑称)による仕業だ」と罵った。