<夜タイマー>は電気代にも身体にも優しくない?
もうひとつ誰もが悩ましく思うものに「暑く寝苦しい夜のエアコンの使い方」があるのではないだろうか?
ダイキン工業の調査によると、エアコンの「一晩中つけっぱなし派」が23.5%に対して「タイマー使用派」は53.1%と約2倍――。
やはり電気代やエアコンの当たりすぎによる体調不良を心配して、「就寝後にOFF設定」をしている人が多いようだ。しかし同じ調査では、タイマーを使って就寝している人の6割以上が「暑くて夜中に起きてしまう」と答えている。
実は、夜間は外気温が下がっていても、エアコンをOFFにすると壁や家具からの輻射熱でたちまち室温は上がる。途中、覚醒してエアコンをまたつけて寝ることを繰り返していると、温度変化で身体への負担が大きくなり、翌朝のだるさの原因にもなる。
またON・OFFの繰り返しでは、前述のように電気料金も上がってしまう。そんな理由から、やや高めの温度設定で一晩中つけていた方が望ましい。
ダイキン工業によると、快眠には「温度」だけでなく「湿度のコントロール」も大切だ。一晩中エアコンを使いたい人には、「設定温度を28℃以上」の高めにし、除湿運転で「湿度を50〜60%」に下げることを推奨している。
そのことで、体を冷やしすぎずに体感温度だけを下げ、汗をしっかり乾かして眠りやすい環境になるという。エアコンの機種によっては湿度設定ができないが、その場合は高めの設定温度で除湿運転をするといいだろう。
また、エアコンをつけっ放しにしたくない場合は、好みの温度で切りタイマーを就寝後3時間に設定するとよい。そうすれば、入眠直後の深い睡眠が温度変化で邪魔されることがなく2周期(平均1周期90分とされる)確保できるために、前半の深いノンレム睡眠を安定的して取ることができる。
身体に負担をかけない工夫で心地よく
就寝時のエアコンは設定温度以外にも工夫が必要だ。
まず大事なのは「身体に直接風を当てない」こと。ごくわずかな風速 0.14m/sのエアコンの風で体動や心拍数の上昇、覚醒頻度が多く、睡眠の質が悪くなったという論文もある。エアコンのフラップ(上下)は一番上を向け、ルーバー(左右)も壁に向けて、風を壁に沿わせるようにするといい。
扇風機を併用する場合は、壁に向けて首を振らせず固定すると良い。部屋の周囲に空気の流れを作ることで身体にかすかな風を感じ、冷えすぎることなく涼しさを感じることができる。
また、服装も大切。汗の蒸発で身体の表面が冷えすぎないよう半袖・短パンではなく、吸湿性に優れた長袖・長ズボンのパジャマを着用するようにしよう。
まだまだ続きそうな暑さに負けず、元気に快適に過ごすためにも、エアコンを賢く利用するようにしたい。
(文=編集部)