早漏に有効性が高い治療法!ウェットティッシュタイプの局所麻酔薬に注目

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早漏に著効あり!局所麻酔薬ベンゾカイン

 しかし、いつの世も閨事(ねやごと)は好事魔多しだが、捨てる神あれば拾う神ありも人生の妙味だ。早漏に悩む米国の男性にとっては、願ってもない吉報が天から降りて来たのだ。

 ニューヨーク市の男性生殖のエキスパートであるRidwan Shabsigh氏が率いる研究チームは、異性のパートナーと1対1の関係を持つ早漏の男性21人を対象に、局所麻酔薬ベンゾカインのウェットティッシュタイプを用いたランダム化比較試験を製造元のVeru Healthcare社の支援を受けて実施。5月13日に開かれた米国泌尿器科学会(AUA)の年次学術集会で研究成果を発表した。

 発表によれば、15人は4%のベンゾカインを含有するウェットティッシュタイプを、6人は局所麻酔薬を含まないプラセボ薬剤をそれぞれ使用した。2カ月後、ベンゾカイン群はプラセボ群に比べて早漏が有意に改善した。この研究の知見は査読後に医学誌に掲載される予定だ。

 AUAの広報スタッフを務める南イリノイ大学のTobias Kohler氏は「早漏の症状を軽減する新しい画期的な方法を示す有望な成果だ」と評価する。

 ニューヨーク市のレノックス・ヒル病院のDavid Samadi氏は「ベンゾカインなどの局所麻酔薬は今までも活用されてきたが、ウェットティッシュタイプは初の試みだ。だが、コンドームを使用しなければ、局所麻酔薬はパートナーの膣壁から吸収され、感覚を低下させるリスクが高い」と警告する。

 また、ロングアイランド・ユダヤ人医療センターのHarris Nagler氏は「今回の研究は小規模であり、曖昧な点がいくつかある。局所麻酔薬は早漏に悩むすべての男性に有効ではない。勃起障害が生じたり、膣の無感覚によってパートナーの満足度を阻害する恐れも否定できない」と言及する。

 AUAによると、米国で早漏の悩みを訴えている18~59歳の男性は3人に1人だが、利用できる薬剤はクリーム剤またはスプレー薬に限られている(『新泌尿器科学』p.328)。

 ベンゾカインは、日本ではアミノ安息香酸エチルとも呼ばれ、脳への痛みを感じさせる神経伝達を麻痺させるため、早漏防止薬の他、乗物酔いの防止薬、胃腸薬、痔の痛み止め、かゆみ止め、日焼け止めなど、様々なOTC薬に用いられている。医療現場では一時的に感覚を麻痺させる局所麻酔薬としても普及。ウェットティッシュタイプは、近い将来、国内販売されるかもしれない。

 なお、ベンゾカインの副作用は極めて少ないが、塗布剤は、過敏症や皮膚アレルギーなどの体質がある人なら、皮膚のかゆみ・痛み、腫れ・赤みを帯びたり、眠気・眩暈・体温変化などを伴う場合があるので、服用・塗布後に副作用があれば、すぐに医師の診断を受けたい。
(文=編集部)

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