ポテチが店頭から消えた!(depositphotos.com)
やめられない、とまらない「ポテチスト」にレッドカードクラスのバッド・ニュースが飛び込んできた! 「ポテトチップス」のトップ2社、カルビーと湖池屋が、北海道産ジャガイモを原料とする一部のポテトチップスの販売休止を発表。スーパーやコンビニからポテチが消えた(「日経新聞」2017年4月10日)。ポテチに何が起きたのか?
報道によれば、昨夏、北海道に3度も上陸した大型台風がジャガイモ畑を壊滅させたため、北海道産ジャガイモの収穫量が激減。両社とも原料に使うジャガイモのおよそ7~8割を北海道産に依存していることから、原料の調達が難しくなり、販売再開のメドは立たない。
やめられない、とまらない「ポテチスト」はショッキングだろうが、もう少し探ってみよう。
北海道産ジャガイモは前年比約10%減
カルビーは、4月15日以降、「ポテトチップス 関東だししょうゆ」など地域限定商品18品目の販売終了、4月22日以降、「ポテトチップスうすしお味」「ピザポテト」など33品目の販売停止のほか、一部品目の販売終了を決定。販売再開は未定。ポテチは委託生産が中心であることから、産地の切替えや原料の確保は困難だが、定番商品の生産は続ける見込みだ。
湖池屋は、3月25日以降、「125gお徳用すっぱムーチョチップスさっぱり梅味」など9品目の販売休止、「ポテトチップス リッチコンソメ」「頑固あげポテト」など16品目の販売休止・終了を決定。主力商品の「ポテトチップス のり塩」「カラムーチョ」などは生産する。海外産ジャガイモに頼らず、九州産ジャガイモの調達に努めるとしている。
北海道農政事務所によれば、北海道産ジャガイモは、2016年6月の日照不足と長雨で生育が遅れたうえに、8月の台風の接近や上陸によって生育が阻害された。主産地の十勝地方では、畑への浸水による腐敗・廃棄の甚大な被害が発生。出荷量は、前年比約10%減の152万6000tの頭打ちとなった。
国内生産量のおよそ8割を占める北海道産ジャガイモは、毎年8月末から10月中旬に収穫し、9月から翌年の5月までに出荷。11月以降は倉庫で低温貯蔵し、出荷する。今年は収穫量の激減で4月中旬にストックがほぼゼロだ。
JA鹿児島県経済連によると、不運にも4月から出荷する鹿児島県産も降雨の影響で収穫が遅れ、平年より出荷量が約10%も減少。東京都中央卸売市場でも異変が及ぶ。3月下旬の北海道産平均卸値が1kg221円に高騰、過去5年平均よりもおよそ50%も高値を付けている。
極めてリスキーな実情だが、「ポテチスト」にはさらに辛い状況が待ち受ける。食べられなくなると、いっそう食べたくなるからだ。とは言うものの、カロリーオーバー、食品添加物(アミノ酸)や発がん性化学物質アクリルアミドのリスク、塩分や脂肪の過剰摂取をはじめ、味覚障害、栄養の偏り、がん、心臓病、腎臓病、動脈硬化、高血圧、血栓症、肥満などの生活習慣病に至るまで、様々な重篤疾患の高い発症リスクなど、ポテトチップスのリスキーさを無視できない状況は変わらない。
本サイトのポテトチップスに関する以下の情報もぜひ参照してほしい。
参考:フライドポテトやポテトチップスに生じる多量の劇物 「アクリルアミド」の正体
参考:焼く、揚げる、炒める……やはり食べ物の「焦げ」には発がん性物質! 食品安全委員会が注意喚起
ところが、ジャガイモ料理の意外な真相を探求した研究がある。