国連が発表した日本の「主観的幸福度」は世界51位! 1位ノルウェイと何が違うのか?

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なぜノルウェイの幸福度は高いのか?

 ノルウェイの幸福度が高いのはなぜだろう? 日本の幸福度が低迷しているのはなぜだろう? その差異にどのような意味があるのだろう?

 主観的幸福度に対する6要素の寄与度を見ると、ノルウェイは、国民1人当たりのGDPが21.4%、社会的支援が20.3%、健康寿命が10.6%、人生選択の自由度が8.4%、寛大さが4.8%、汚職が4.2%、その他が30.2%。

 一方、日本は、国民1人当たりのGDPが23.9%、社会的支援が24.3%、健康寿命が15.4%、人生選択の自由度が8.5%、寛大さが2.0%、汚職が2.8%、その他が23.2%。

 日本は、健康寿命が優れているものの、寛大さ、汚職のポイントがやや低い。寄付しない国民性、汚職が多いという実態が浮かび上がる。

 およそ4割を超える非正規雇用、自殺者を生む超過勤務、「保育所落ちた日本死ね!」が告発するに貧しい社会的支援、保育所建設に反対する住民エゴ、OECD加盟国中で4番目に高い相対的貧困率(約15%)、OECD加盟国平均以上の経済格差、1000兆円に近い国債残高……。これらの事実を列挙すると、幸福感への確信が揺らぎ、疑念が湧いてくるのは否めない。

幸福の感じ方は人それぞれ、人の頭数だけある

 ただし、注意すべき点がある――。このような限定的な統計データに基づく指標だけに依存する分析手法の限界も課題もあるのは、確かだ。分析手法のバイアス(偏り)も勘案しなければならないので、あくまで目安と考えたい。

 重要なのは、幸福の感じ方や生き方に対する価値観は個人差が大きく、多様性があるという認識だ。つまり、国家、民族、自然、文化、教育、経済力、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資意欲のほか、社会制度や医療・福祉の発達度などの指標によって個人のウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)の感受性が異なる。すなわち、幸福感は、個人のウェルビーイングの広さ、深さ、強さ、柔軟さの多様性によって決まるのだ。

 幸福を感じるために何が大切だろうか? たとえば、『限りなく完璧に近い人々』(マイケル・ブース/KADOKAWA)を読んでみよう。北欧5ヵ国は税金が高く、生産性が低く、生活水準も高くなく、さまざまな社会問題にも直面しているにも拘らず、人生が辛いと感じる人はわずか1%だ。その強かな多様性やレジリエンス(復元力)を少しは理解できるかもしれない。

 北欧5ヵ国の人々の自立した精神に脈脈と流れているのは、人間の愛への強い信頼感、自己成長への確かな肯定感、勇気と行動力がもたらす幸福感だ。その気づきがあれば、踏み出すべき道筋が見えるかもしれない。

 試練と忍耐の逆風の吹きすさぶ不確実な時代。このような時こそ、幸福を求めて止まない人間の自覚と行動力が問われるのだから……。

 幸福とは何か? 遥かなる大宇宙に瞬く幾千億個の星々のように、幸福の感じ方は人それぞれ。人の頭数だけある。水のような、空気のような、陽光のようなものだろうか? 生かされて生きる奇跡を感謝する心かもしれない。
(文=編集部)

*参考文献
Japan as Number Fifty-One! 国連World Happiness Report 2017
http://worldhappiness.report/ed/2017/
https://s3.amazonaws.com/sdsn-whr2017/StatisticalAppendixWHR2017.pdf

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