「買い物弱者」が全国に700万人超? 例外ではない<クルマ離れ世代の若者>

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自動車を持たない人は買い物困難者?(depositphotos.com)

 最近よく見かける「買い物弱者(買い物難民)」――「食料品アクセス問題」「フードデザート(food desert=食の砂漠)問題」とも報じられる。

 要は「流通機能や交通網の弱体化に伴い、食料品などの日常の買い物が困難な状況下に置かれている『弱者』」をそう呼ぶ。

 この食料品アクセス問題、これまでも高齢者が多く暮らす過疎地や、高度成長期に建設された大規模団地(団地内食料品店の閉鎖)特有の難題とされてきたが、最近の経産省の資料では、「生鮮食料品店までの距離が500m以上かつ自動車を持たない人を買い物困難者」としている。

 つまり「買い物弱者」とは、決して高齢者層が抱える実態だけを指す呼称ではなく、<免許を持たない家族>や<クルマ離れ世代の若者>層も立場上は該当する。今後は、都市生活者も例外ではいられなくなるという次第だ。

 事実、経産省のHPを閲覧すると「東京23区における食料品アクセスマップ」という参考図が載り、「市町村といった区域の境界に関わらず、買い物弱者が存在する可能性があり、詳細なアンケート調査等による分析が必要」と解説されている。

「買い物弱者」は大規模店の郊外化から

 こうしたフードデザート研究は英国と米国が先行しているが、同じ「島国」である英国の例を参照すると問題の流れはこうだ――。

 ①スーパーストアの郊外化。
 ②インナーシティの食料品店が廃業へ。
 ③貧困層は都市に残存する雑貨店での買い物(安価な加工食品など)を強いられる。
 ④貧困層における栄養事情が悪化。
 ⑤疾患発生率の上昇が問題化。

 つまり、「生鮮食料品の供給」が焦点となる。その一方で、国土の広い米国の場合、上記①の源流は一緒でも、その後の流れが対照的である。

 ①商業機能の郊外化に伴って中心部の食料品店が廃業へ。
 ②空白地域にファーストフード系が多数出店。
 ③結果、栄養過多による肥満問題が発生(とりわけ、子どもの肥満化問題が著しい)。

 また、米国特有の事情には「人種差別との関わり」が背景にある。

 その発生要因は英・米両国とも「大規模店舗商業機能の郊外化」だ。それが流通面では「治安悪化による出店規制」という悪循環を呼び、社会面では「格差問題」「人種差別」が深まり、ひいては個人面でも「栄養に対するレベルの低さ」が深刻化していく……。

 こうした欧米先行研究の対象地域が「都市中心」であるのに較べ、日本が今後抱える波及/周辺問題は「地方都市」「大都市」「大都市郊外」「農村・山間部」と対象者(地域)が多岐に渡る点を専門家は問題視している。

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