シリーズ「AIと医療イノベーション」第13回

3年後にAI(人工知能)新薬が販売される?実現すれば新薬開発の時間を短縮し薬価も大幅にダウン

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
3年後ついにAI(人工知能)新薬が販売される?実現すれば新薬開発の時間を短縮し薬価も大幅にダウンの画像1

AI(人工知能)新薬が販売される?(depositphotos.com)

 犬も歩けばAI(人工知能)に当たるご時世。イチローの大ヒット記録や錦織圭のグランドスラム初制覇がビッグニュースになったとしても、AIのトリックスターぶりがネット報道を賑わしたところで、「ああそう、でもまだこれからでしょ!」などと世論も妙に醒め切っている風にも見える。なぜだろう?

 AIのトリックスターぶりと言ったが、それも宜(むべ)なるかな。二面性を併せ持つのがAIの宿命だ。善か悪か、秩序か破壊か、共存か侵略か、賢者か愚者か、英雄か独裁者か、知性の巨人か知性の悪魔か、味方か敵か、狂言回しかトラブルメーカーか。はたまた、日本神話のスサノオかギリシア神話のプロメテウスか西遊記の孫悟空か。全く矛盾する役割を背負い、対立する属性を秘めた未知数の存在、それがAIなのだ。

 今回のテーマは、AI創薬は成功するか? 「AI創薬」の本気度や貢献力を検証してみよう。

3年後、ついにAIによる新薬が販売される?

 AI創薬は耳慣れないかもしれないが、欧米のベンチャー企業各社が参入したり、IBM Watsonの疾患診断などのAI研究も日々加熱している。

 昨年11月16日、製薬会社約50社は、理化学研究所などと協力して創薬AIプロジェクトを立ち上げ、新薬になる候補物質をノミネートするとともに、3年後をメドにAIによる新薬開発をスタートすると発表した(日本経済新聞)。

 AI創薬プロジェクトの旗揚げに参加したのは、武田薬品工業、富士フイルム、塩野義製薬などの製薬大手をはじめ、富士通、NECなどのIT大手、海外の大手製薬会社やIT企業など約50社、理化学研究所などの研究機関、京都大学病院だ。

 なぜこのようなビッグプロジェクトが始動できたのだろう?

 あらゆるビジネス・セオリーがそうだが、タイムシェア・マネーシェア・ノウハウシェアのリソースを連携・合体するという壮大なコンセンサスが醸成されなければ、ビッグプロジェトは起動しない。

開発期間10年以上と開発費1000億円以上だが、成功率は2~3万分の1

 AI創薬の機運は熟しているが、新薬の開発競争は熾烈を極めている。開発期間10年以上と開発費1000億円以上が緊要だが、成功率2~3万分の1という開発リスクを分散しつつ、投資を回収しなければならない。創薬を効率化し、好機を逸してはならないが、人的資源や技術資源を包括的・横断的に集約するのは難しい。

 このようなビジネスチャンスを阻害するトリレンマをすべて解決するべく結集されたのが、AI創薬プロジェクトなのだ。国も尻馬に乗り、後押したいところ。文部科学省は2017年度概算要求に25億円を計上するが、総額100億円規模になるらしい。

 問題は、どのような新薬開発プロセスをデザインするかだが、そのアジェンダ(行動計画)を見てみよう。

年末年始の血糖コントロール~「1日3食欠かさず食べる」の思い込みは捨てよう!
インタビュー「血糖値を上手にコントロールする年末年始の過ごし方」前編:角田圭子医師(駅前つのだクリニック院長)

これから増えるのが忘年会や新年会といった宴会。糖尿病予備軍の人も、そうでない人も、血糖値と体重が気になるのではないだろうか。血糖値をコントロールしながら年末年始を楽しく過ごすコツを、糖尿病外来を中心とした内科クリニックである「駅前つのだクリニック」の角田圭子院長にそのコツを訊いた。

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授…

西郷和真

小笠原クリニック札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認…

横山隆

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫