公共空間での香り演出に賛否両論 あなたは<香りバス>問題をどう考える?

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先行する公共空間での香りアンケートは誠実か?

 驚くべきことに将来的には座席毎に香りを提供する可能性もあるようだ。実は名鉄バスが、質問6で回答しているアットアロマ社は2008年に次のような調査データを公表している。

 インターネットリサーチ「空間における『香り』に関する消費者の意識調査」(2008/10/22~2008/10/27)は、関東(1 都 3 県)関西(2 府 4 県)在住 20~59 歳 男女 400 名 に対して行われたもので、商業施設での香りが消費者行動にどのように影響するか調査したとしている。

 この結果、86.3%の人が「商業施設でいい香りがした場合、香りがなかった場合に比べて、そのお店に対して好意的な印象を持つ」ことが明らかとなったとしている。またいい香りがした場合、「そのお店にまた行ってみたい」と思う人は 70.3%、「より長くそのお店にいたい」と思う人は 69.5%と、いずれも高い数値で、いい香りによって「商品を購入したい(サービスを受けたい)」と思う人も 53.3%と半数以上に上り、香りが消費者行動に少なからず影響を与えていることが分かったとした。

 これに類似したようないくつかの調査を受け、多くの商業施設や公共空間などでアロマディフューザーの導入が進められてきたのは想像に難くない。ネットでの400人程度のアンケート調査で化学物質過敏症の人への配慮の問題が浮かび上がるとも思えないが、調査をした会社も、この結果を利用した側もそうした視点がまったくかけていたのではないか。

 名鉄バスに取材したある新聞記者に対して、担当者は「現在、試験的に実施中。化学物質過敏症の乗客がいらっしゃいますかと乗車時にたずねて、いれば、実施しないことにしているが、現在までに『おれは過敏症だからやめて』といわれたことはない、患者団体以外からのクレームはまったくない」と答えている。クレームがあったことこそを慎重に検討すべきではないのか。

 化学物質過敏症は、2009年に厚生労働省によってレセプト(診療報酬明細書)に記載できる病名リストに登録された。化学物質過敏症で苦しむ人が全国で100万人を超えると言われている。「個人のわがままだ」などとするいつものネット馬鹿の意見が出がちなこの問題だが、誰にでも発症の可能性のあるこの疾患に対してきちんとした議論に発展することを期待したい。
(文=編集部)

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