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トランプ大統領就任で米国の医療制度は? 「オバマケア」から「トランプケア」への移行は茨の道?

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日本への余波は現時点では予測も把握も困難!?

 さらに、悩ましい難題が横たわる。トランプ氏の財政調整によってオバマケアに制度変更が加えられると、保険会社が致命傷を受ける。

 もしも保険料に対する補助金や個人加入義務が廃止されるとどうだろう? 加入者は保険に加入しなくても罰金が発生しなくなる。だが、保険会社は既往症を理由に保険加入を拒否できないし、高い保険料を設定できない。

  その結果、健康なら誰も保険に入らない。病気になって保険に入った人は医療費を浪費するため、保険料は高騰するが、誰も高額な保険に入らない。果てはオバマケアによって設立された健康保険市場(エクスチェンジ)が消滅するかもしれない。

 雇用者の健康保険に加入している被雇用者はいい。だが、個人向けの健康保険が消滅すれば、中小企業や自営業の個人保険加入者は、購入する保険プランそのものがなくなる――。

  このように、保険会社はオバマケアの制度変更を望まないので、トランプ政権は保険業界からバッシングを食らい、支持率が下がることを恐れる。したがって、トランプ氏はオバマケアに大改革を加えず、妥協的で小幅な制度変更や無難な軌道修正に甘んじるに違いない。

 オバマケアからトランプケアへのソフトランディングなら、医療制度の脆弱化も、保険業界の大混乱も、世論の反発も交せるはずだ。トランプ政権は、そう踏んでいるフシがある。

 16日の報道によると、トランプ氏は「われわれは全ての国民向けの保険を用意する。これまでは保険料を支払えない人は保険に入れないとの見方もあったが、次期政権ではそのようなことは起こらない」と発言しているらしい。具体的な内容は明かされていないが、こうした世論と議会をにらんだ駆け引きが当分続きそうだ。

 最後に、日本への余波だが、現時点ではどのようなリスクがあるのか、予測も把握も困難だ。ただ、トランプ政権が対日政策の枠組みを再編成するなら、その影響は決して小さくないだろう。トランプ氏が画策するトランプポノミクスの行方を見失わないように注視したい。
 
*参考文献
「トランプ大統領で米国の医療制度はどうなる?」日経メディカル2016年11月14日
「トランプ政権と医療ITの未来を予想する人々」Kristen Lee,TechTarget
「トランプ政権、デジタルヘルスへの影響は?」日経デジタルヘルス2016年12月2日 ほか
(文=編集部)

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