米大統領選の大勢が判明した。勝ったのはドナルド・トランプ氏(70歳)だ。「史上最大の泥試合」とまで評されたほど政策論争のない誹謗中傷とあげ足取りに終始した選挙だった。しかし日本のメディアがコレほどまでにアメリカ大統領選に時間を割いたことがあっただろうか?今回の選挙が極めて劇場型で、他国の人間にもわかりやすい構造と三面記記事的な要素が満載だったからではないか。
選挙戦開始から、2人の候補者に関する健康問題が注目されていた。今回当選が決まったトランプ氏には次のような健康問題が指摘されている。
アメリカの新大統領は1946年6月14日生まれ、不動産デベロッパーの父フレッド・トランプ、母メアリー・アンの裕福な家庭の第4子としてニューヨーク市に生まれる。父の不動産業を引き継ぎ、カジノ、ホテル、ゴルフ場、高層ビルなどの不動産投資で大成功。その名を世界に轟かせる。政治経験は皆無だが、2015年、大統領選に出馬表明。7月の共和党全国大会で代表指名を受け、大統領候補の栄誉を手繰り寄せた。
政界の異端児を自認するが、イスラム教徒の排斥・忌避、外国人への偏見・差別、他国の政治体制や宗教ヘの誹謗・中傷、女性への蔑視・抑圧など執拗かつ過激で反人道的な言動は、国内外から激しい顰蹙を買い、共和党内部からも強い批判を受けている。
このような政治的スタンスの危うさに加えて、70歳を迎えたトランプの年齢的なハンディに強い疑念を示す動きがある。トランプは高齢リスクを克服できるのか?
すでに70歳だが本当に健康な大統領!?
国際ニュース通信社『ロイター』(2015年12月15日)の報道によれば、レノックス・ヒル病院の胃腸科専門医でトランプを1980年から診察しているハロルド・ボーンスタイン医師が、健康報告書を公表し、トランプの体調に「お墨付き」を与えた。
報告書によると、トランプは過去1年間に15ポンド(約6.8kg)の減量、外科手術は10歳の時に受けた虫垂切除のみ、がんの発症歴はなし。アスピリンとコレステロール降下剤を毎日服用しているという。
ボーンスタイン医師は「トランプは、最大(収縮期)血圧が110mmHg、最小(拡張期)血圧が65mmHg。トランプの健康状態はとても良好だ。過去にアルコールや喫煙の習慣もない。当選すれば疑いなく史上最も健康な大統領になるだろう」と述べた。
この報告書は大きな注目を浴びた。だが、どの程度の信憑性があるのかを質す論調がある。