セロトニンの分泌を促す晴れた日のランニングがお薦め
では、ランニング中は、どんな脳内化学物質が働いているのだろう?
ランニングすると、脳内や中枢神経に気分や感情を制御する神経伝達物質のセロトニンが出る。セロトニンは、怒りや攻撃性に関わる物質の過剰分泌を抑える働きがあり、精神を安定させ心身に安らぎを与えるため、幸せホルモンとも呼ばれる。夜になると睡眠ホルモンのメラトニンに変化し、寝付きを良くし、睡眠の質を向上させる。
セロトニンは、一定のリズムで同じ動作を繰り返せば分泌が良くなるため、イーブン・ペースを意識して走れば効果が高い。また、日光はセロトニンの分泌を促す効果があるので、晴れた日のランニングがお薦めだ。
さらに、ランニングすると交感神経が働くので、意欲や快感を司り、運動調節の機能を持つドーパミンが出る。ドーパミンが分泌されると、脳は快感を覚え、快感を覚えた行動を記憶することから、ランニングのモチベーションが自然と強化される。ドーパミンを効果的に分泌するためには、明るい時間帯にランニングすればいいだろう。
しかし、走り過ぎてしまえば、脳内麻薬のエンドルフィンが多く分泌されて過度のランナーズ・ハイの状態になるため、肉体の痛み和らげられて、身体のトラブルにつながる恐れがある。注意したい。
暦の上では春だが、冬はまだ続く。筋力が衰えれば、集中力も創造力も衰える。無理のないイーブン・ペースで適度な距離を走りながら、体と脳に爽快感を感じさせよう。走る人=仕事がデキる人とも言う。ランニングが好きになればなるほど、仕事の成果も上がるだろう。それが長続きするランニングの極意だ。
(文=編集部)