昨年10月にスタートした「健康サポート薬局」 身近な調剤薬局は地域の健康ステーションになりえるか?

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薬剤師の仕事が薬の処方だけではなくなる

 OTCの充実についても「健康サポート薬局」として置かなければならない風邪薬を初めとした基本的薬効群48品目意外に、ブレインフーズ、サプリメント、トクホを充実させるが、薬剤師らは今後、これらの品目への知識・教養の習得を要求される。

「運動や食品に関するノウハウは調剤薬局の弱い分野でもあります。今後は管理栄養士を使った健康相談も行えるよう人材の配置も考えていかないといけないし、薬剤師もそれぞれ知識を上げていかなければならない」と弓場氏。

 薬局が担う役割として在宅医療機関、在宅介護機関との連携なども視野にあることから、「身近にかかりつけの薬剤師がいることで地域の人により安心を与えられるように」を目標に、今後は人材の育成にも力を注ぐ。

小規模薬局は取り組みに二の足

 一方「健康サポート薬局」の取組に対する世間の認知度は低い。供給側も設置にまだ二の足を踏んでいるところが多く、弓場氏は「東京でもまだ『健康サポート薬局』を申請している薬局は10数店舗に満たないのではないでしょうか。全国でも50もないと思います。これに取り組む上での薬局のインセンティブがこれといってあるわけではないので、業界の反応は鈍い」と不安視する。

 参入する上での設備投資のコストの高さも問題となる。相談窓口を新たに設置することで人件費の高騰も予想される。地域包括ケアシステムの中で薬局が薬局としての機能を備えることを目的に、国は日常生活圏域に1軒以上、2025年までに1万〜1万5000軒の「健康サポート薬局」の設置を目指すが、大手薬局と小規模薬局との取組にはまだまだ温度差があるのが現状だ。

「薬局が薬の専門家というところのもう少し手前、病気になる前、もしくは重症化する前でのサポートを求められている」(弓場氏)と地域で担う薬局の役割変化に対応する。

 高齢化が進み入院から在宅への流れがつくられている今、薬局で待っているだけでは薬局経営が成り立たない時代が来ている。小規模薬局では「そんな余裕はない」との声もあるが、生活者にとって薬局が窓口を開放するのは決してマイナスではない。地域が真に必要な機能であると認めたとき、調剤報酬への組み込みが議論されるのではないか。
(取材・文=名鹿祥史)

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