かかりつけ薬局で何が変わる?~日本調剤HPより
「かかりつけ薬局」という呼称をご存じだろうか?
「あ、最近、クボジュンがCMしているアレね」と切り返す中年男性陣が少しでも増えれば、この啓発キャンペーンは成功だろう。2月28日からフリーアナウンサーの久保純子さん(44)をテレビCMに起用し、「日本のかかりつけ薬局宣言」を謳っているのは、全国47都道府県で調剤薬局を展開している日本調剤株式会社(本社:東京・丸の内)だ。
今回のマドンナ抜擢の背景には、1008人の男女(20歳〜70歳以上)を対象に今年1月に行なった同社のネット調査『薬局、かかりつけ薬局に対する生活者の認知・意識』の結果があるのかもしれない。そこから読み取れる、イマイチの認知度、市民権の足らなさがあったようだ。
制度開始目前なのに知名度は振るわず……
同調査結果では、処方箋の調剤を目的に「薬局」を利用した経験者が9割、うち半数近く(46.9%)が「毎回、同じ調剤薬局に行く」と回答。しかし、「かかりつけ薬局」という呼称に関しては4割(40.0%)が「見た(聞いた)ことはない」との実態が浮き彫りにされた。
とりわけ性・年代別で最も認知度の低い層は男性50代で、半数以上(52.4%)が知らない現実が判明。逆に「見た(聞いた)ことがある」率が高いのは、久保さんと同じ40代女性層だった。
政府は昨年5月、患者の服薬状況を一元管理する新制度「かかりつけ薬剤師/薬局」の導入方針を固め、今年4月からの開始を予定している。
今や薬局は、全国に約5万7000店にも増加している。病院が経営のために薬を過剰処方することを防止するため、1990年代に病院外の薬局が薬を処方する「医薬分業」を推し進めたためた結果だ。その大半は病院の近くにある、いわゆる「院前薬局」と呼ばれ、全体の約7割を占める。
院前薬局は、その病院が出す処方箋を持っていくには近くて便利だ。しかし、複数の医療機関にかかっている患者は、あちこちの院前薬局で薬を処方してもらうことになる。それなら自宅近くの薬局でまとめて薬を処方してもらおうというのが「かかりつけ薬局」だ。
また、新制度では、かかりつけの薬剤師・薬局に支払う報酬を増やす半面、かかりつけ機能を持たない薬局への報酬を半減。「門前薬局」への報酬も引き下げられる。