シリーズ「DNA鑑定秘話」第44回

紀元前の沈没船から古代人の「頭蓋骨」発見!最新「DNA鑑定」で人種・性別・年齢・出生地も解明?

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沈没船から発見された人骨としては、DNA鑑定が可能になって以来、世界初(shutterstock.com)

 <The Huffington Post>によれば、紀元前65年頃にエーゲ海の島アンティキティラ島近海に沈んだ沈没船から、2000年以上前の人骨が発見された。『2000-Year-Old Human Skeleton Found On Famed Shipwreck』( 09/19/2016 04:50 pm ET)

 ギリシャの文化・スポーツ省とウッズホール海洋研究所(WHOI)の研究グループは、8月にエーゲ海ギリシャ領のアンティキティラ島沖合の海底に沈んでいる沈没船を調査中に人骨を発見した。沈没船はギリシャの貿易船または貨物船と推定されるが、これまでに発見された古代沈没船の中で最大級だ。

沈没船から発見された人骨としては、DNA鑑定が可能になって以来、世界初

 1901年、この沈没船から「世界最古のコンピューター」と呼ばれる「アンティキティラの機械」と共に、ガラス製品、金細工、大理石像、古代武器が多数見つかっている。アンティキティラの機械は、紀元前150〜100年頃に製作された最古の科学計算機。歯車が時計のように動く装置で、日食や月食、天体運行の予測に使われたと考えられる。同様の複雑な機構を備えた装置が作られたのは、アンティキティラの機械のおよそ1000年後の10世紀頃だ。

 科学専門誌『ネイチャー』によると、発見されたのは、頭蓋骨、3本の歯がついた上顎、大腿骨2本、とう骨、尺骨、肋骨など。沈没船から発見された人骨としては、DNA鑑定が可能になって以来、世界初だ。

 デンマーク自然史博物館のハンネス・シュレーダー博士は「信じられない! 人骨はあらゆる障害を乗り越え、2000年以上も海底に眠っていた。状態は良好だ」と興奮ぎみに話す。

 ウッズホール海洋研究所のブレンダン・フォーリー博士は「これは沈没船探査史上、最もエキサイティングな科学的発見だ。船は急速に沈没したので、乗客や乗員が閉じ込められたのだろう。でなければ、完全な頭蓋骨は残らなかった」と興味深く分析する。

人骨のDNA鑑定ができれば、人種・性別・年齢・髪や目の色・出生地も判明!?

 『ネイチャー』によれば、人骨からDNAを採取できれば、人種、性別、年齢、髪や目の色、出生地などを特定できるとしている。それを知るためには、21世紀の時計を古代に巻き戻さなければならない――。

 現生人類の共通女系祖先は、およそ13~17万年前にアフリカで生存したとされる女性(ミトコンドリア・イブ)に行き着く。およそ10万年前に人類の祖先(新人)は、アフリカから中東を経て、ヨーロッパやアジアへ拡散した。

 人類に脈々と受け継がれたミトコンドリアDNA(mtDNA)などのDNAは拡散の途上で、先住民らと交雑しながら、突然変異を繰り返したため、様々な進化がもたらされた。

 気の遠くなるような時空間を経て20世紀から21世紀へ。ヒトゲノム解析から始まった分子人類学の長足の進歩は、生物学、考古学、遺伝学はもちろん、DNA鑑定に驚異のイノベーションを引き起こした。

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