シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」第24回

人工甘味料でアレルギーに! ダイエット食品に含まれる甘味料「エリスリトール」で5歳児が……

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
175095215.jpg

甘味料や人工甘味料も深刻なアレルギーを引き起こす(shutterstock.com)

 消費者の低カロリー志向を受け、加工食品で砂糖などの代わりに広く使われている甘味料や人工甘味料。その甘味料や人工甘味料が原因で、食物アレルギーになるケースが全国の医療機関で確認されている。

 なかには、呼吸困難など重い症状も報告され、消費者庁では「今後、アレルギー物質としての表示が必要かどうか、検討していくことになる」としている。

消費者庁は把握しているが厚生労働省は消極的

 アレルギーの原因物質であるアレルゲンの食品表示が義務付けられているのは、「そば、乳、卵、エビ、カニ、落花生、小麦」の7品目だ。

 また、義務付けられてはいないが、可能な限り表示をするようにと厚生労働省が指摘している「特定原材料」が、「アワビ、イカ、イクラ、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、クルミ、サケ、ごま、サバ、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マツタケ、モモ、ヤマイモ、リンゴ、ゼラチン」の20品目だ。

 消費者庁は、全国の医療機関からの報告で、甘味料や人工甘味料も深刻なアレルギーを引き起こすことを把握しているようだ。しかし厚生労働省は、甘味料や人工甘味料をアレルギー表示の対象にすることには消極的だ。食品メーカーの負担になることを考慮しているとしか考えられない。

 これでは、消費者はアレルゲンである人工甘味料を、疑いもなく食べさせられ続けることになる。早急なアレルギー表示を実施すべきだ。

日本アレルギー学会で5歳児の症例が報告

 低カロリー、ノンカロリー、カロリーゼロなどと銘打ったダイエット飲料や食品の氾濫に伴い、甘味料や人工甘味料の使用量は増加の一途だ。医療の現場からは、3年ほど前から「アレルギーを誘発する」と警鐘が鳴らされている。

 2013年に開催された日本アレルギー学会で、国立病院機構・相模原病院の海老澤元宏医師らは、「全国の医療機関に問い合わせた調査の結果、甘味料、人工甘味料が原因でのアレルギー疾患が全国で約30件起こっている」と報告。

 内訳は、エリスリトールが15件、キシリトールが10件、ステビアが2件、サッカリン、ガラクトオリゴ糖、ソルビトール、アセスルファムKが各1件だ(重複あり)。

 日本アレルギー学会では具体的な症例も報告された――。

 甘味料の「エリスリトール」が5g含まれたダイエットゼリーを食べた5歳の男の子が、食後40分から咳込みが始まり、目が腫れて体全体が真っ赤になるとともに、経皮酸素分圧(Sp02)が95%まで低下した。

 この子の検査では、エリスリトールが100mg、300mg、1gの摂取では症状誘発はなかった。しかし、3gの摂取で10分後に咳込みが始まり、顔面にじんましんが出現、SpO2が92%まで低下し、その後、全身にじんましんが起きた。

 患者は、アドレナリンの投与、ステロイド剤の静注、酸素吸入などで軽快した。ちなみに、40代や50代の女性にも、この男の子と同じような症状が出ている。

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

郡司和夫の記事一覧

郡司和夫
除菌で虫歯と歯周病を予防する「3DS」~薬を塗ったマウスピースを5分間はめるだけ
インタビュー 口腔内を除菌して全身疾患を予防する「3DS除菌」② 鶴見大学歯学部・探索歯科講座 花田信弘教授/山田秀則助教

第1回:口腔内の雑菌は100億個以上~<除菌治療>が歯周病と生活習慣病を防ぐ!
虫歯や歯周病の原因菌が、生活習慣病を引き起こす発症リスクになることがわかっているため、今後は虫歯や歯周病を直接治療するだけに留まらず、「予防歯科」の必要性が近年ますます高まってくる。鶴見大学歯学部付属病院では、3DSという治療法を用いて、歯科治療のみならず、全身疾患の予防を目的に画期的な専門外科を開設している。

フィットネスアドバイザー。JT東京男子バレーボー…

村上勇

日本中毒学会評議員(同学会クリニカルトキシコロジ…

横山隆

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫