MRI検査で「認知症」の診断と治療が向上! 2025年に65歳以上の3人に1人が……

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認知症の早期診断、早期治療が命運を分ける!

 このような認知症を予防するためには、どうすればいいのだろう?

 脳の神経細胞の破壊によって起きる中核症状は記憶障害だが、判断力の低下、時間・場所・状況を正しく認識できない見当識障害も伴う。中核症状に性格や環境の変化が加わると、妄想、幻覚、暴力、徘徊などの行動・心理症状(BPSD)が現われ、うつ、不安感、無気力などの感情障害も示す。

 したがって、認知症を長期間にわたって放置すると、脳の神経細胞の死滅による慢性的な機能不全を招き、回復が望めなくなる。最悪の場合、歩行障害、嚥下障害、寝たきり、肺炎などを併発すれば、致死率が高まる。

 いかに早期診断と早期治療が重要であり、患者の命運を分けるかが明白だろう。

 特に初期は、専門の医療機関の受診が不可欠になる。CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI検査、脳血流検査などの画像検査、記憶・知能などの心理検査のほか、様々な病理検査が行われる。

 対策はある――。たとえば、アルツハイマー型認知症なら投薬で進行を遅らせられるので、QOL(生活の質)を維持できる。

 終末医療や介護問題などを相談できるかかりつけ医やケアマネジャーを持てば、進行を管理できる。障害の軽いうちに後見人を自分で決める任意後見制度などの準備もできるだろう。

 しかし、認知症を発症するのは、高齢者だけではない。64歳以下で発症する若年性認知症も急増しているからだ。

 仕事や生活に支障をきたすほどの記憶障害や見当識障害があっても、認知症と気づかない。うつや更年期障害などと間違われやすいため、診断までに時間がかかり、進行が早いので、発見が遅れる。

 予防の特効薬はない。バランスの良い食事、塩分・糖分・アルコールの節制、禁煙、適度の運動を習慣化して肥満にならないこと。生活習慣を見直す心のゆとりが大切だ。
(文=編集部)

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