アジア人に多発する機序の解明も探求など新たな研究が進む
2016年に入っても、臨床研究のウエーブは続く――。
東京医科歯科大学脳神経機能外科学分野(成相直准教授)と中国人民解放軍307医院脳血管中心(段煉教授)の日中医学協会助成事業『日中のもやもや病多発家系における全エクソーム解析による人種差を超えた真の病因遺伝子の探索』が進められ、アジア人に多発する機序の解明も探求されている。
また、北海道大学(濵内祝嗣教授)は『もやもや病の特異的iPS細胞由来血管内皮細胞の多角的解析』を発表、iPS細胞を活用した病因の解明に光を当てている。
さらに、国立病院機構九州医療センター脳血管センター(和田晋一教授ら)の研究グループは、脳血管造影や頸部血管超音波検査によって「もやもや病」のChampagne bottle neck sign(CBNS)と内頸動脈血流動態との関連性を発表、新たな知見を積み重ねている。
さて、もやもやは、もや(靄)が立ちこめたように、ぼんやりした状態だ。英語の「misty」「foggy」「fuzzy」「gloomy」もさっぱりしない。爽やかな秋こそ、晴れ晴れ、イキイキと過ごしたいものだ。
佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。