風邪薬「パブロン」でトリップする<金パブ中毒>な人たち~市販薬をドラッグ代わりに乱用

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咳止めシロップはウケがいい?

 咳止め効果の高いコデイン類は、何も金パブ特有の成分ではない。その他の風邪薬や、特に咳止め薬の多くに含まれている。

 金パブと同じく、いや、もしかしたらそれ以上にウケがいいのは、「エスエスブロン錠」(エスエス製薬)だ。金パブもそうなのだが、コデイン類に加え、エフェドリンが含有されているからだ。

 エフェドリンは、生薬の麻黄に由来する成分だが、覚せい剤に似た交感神経の興奮作用がある。もちろん覚せい剤ほど強力ではないが、スポーツ選手のドーパミン偽陽性反応に関わることもあるパワーアップの成分だ。

 また、咳止め薬のシロップタイプも<ウケ>がいい。体内吸収がいいのだ。錠剤や粉薬に比べ、そのまま飲める飲みやすさも、シロップならではの利点。薬局で購入後、その場でただちに飲み干せる手軽さがある。

 「咳止めシロップをごくごく飲むとトリップできる」という話が、まことしやかに伝わっているが、一気飲みすれば、人によっては「ふわっとした心地」を強く感じるので、あながち嘘ではない。

 ましてや、1回に2~3本まとめて飲めば、いい「景気づけ」になるという。それを1日に1度ならず、何度も繰り返す人々もいる。

あの有名人も咳止めシロップでトリップ!?

 昨年12月、叶姉妹の妹・叶美香さんが、急性アレルギー反応のアナフィラキシーショックで緊急入院したが、一部では、「咳止めシロップを大量に飲んだ」、つまり大量服薬(オーバードーズ)したと報道されている。

 そこまで来たら、薬物依存の領域である。正しい判断力や言動を保てず、仕事や家庭に問題をきたし、生活が破たんする人も現れる。自力でその状態から脱するのは難しく、精神科の加療が必要だ。

 薬物を体内から抜くときの離脱作用は、苦しいものだ。とても自宅で自力でとはいかず、精神科病院に入院するケースが多い。薬物が抜けて、身体面の依存が軽減しても、精神面の依存に向き合う努力が必要だ。

 薬に頼ろうと気持ちや習慣に打ち勝つのも、なかなか自力でできることではない。多くの人の力を借りて、長いリハビリ期間を経て、ようやく社会復帰の一歩に踏み出せるかどうか。

 回復したとしても、安価ですぐ手に入る市販薬の薬物依存は、スリップ(再び使用すること)してしまう危うさが大きく、一生自分との闘いとなる。

 本来であれば、健康を取り戻してくれる、いたって合法の風邪薬や咳止め薬だが、使い方をあやまると、ドラッグのように一生を棒に振る状態に陥るリスクはある。

 体調を崩しやすい季節だが、市販薬といえども、用法・用量はきちんと守りたい。
(文=編集部)

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