高樹沙耶の大麻所持逮捕!鳥取では「大麻で町おこし」偽装?「医療大麻推進」と「取締法の盲点」!

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

高樹容疑者の逮捕は、医療大麻への誤解につながらないか?

 懸念はまだある。高樹容疑者の医療大麻事件は、医療大麻への誤解が拡散するリスクを指摘する声がある。

 沖縄タイムス(10月26日)よれば、沖縄県の南部病院緩和ケア内科の笹良剛史医師は「世界中で、がん患者への医療用麻薬や医療大麻の処方が推奨され、患者は痛みから解放されている。今回の事件が発端になり、麻薬や大麻への悪いイメージが浸透し、医療用麻薬や医療大麻へのネガティブキャンペーンが起きないかと懸念している」と語り、マスコミは正しい報道をしてほしいと強調している。

 世界を見渡せば、大麻の合法化を進めている国々が少なくないが、合法化には様々な見解や仮説が交錯している。

 しかし、日本の大麻は、大麻取締法によって規制を受ける。THCは麻薬及び向精神薬取締法によって、医療目的であっても使用・輸入・所持は、原則的に禁止されている。

 ただ、2013年に大麻の茎や樹脂から生成したカンナビジオール (CBD) を含むオイルが輸入され、医療効果に期待が集まっているのは事実だ。

 また、東京大学医学部附属病院では、合成カンナビノイドの類似作用をもつテトラサイクリン系のミノサイクリンが、神経障害性疼痛への鎮痛剤として第III相臨床試験を進めている。

 さらに、米国科学誌『Journal of Neuroscience』(6月30日)よると、大阪大学大学院医学系研究科解剖学講座(分子神経科学)の木村文隆准教授らは、大麻の薬理成分であるカンナビノイドの摂取が大脳皮質の神経回路を破綻させ、脳の発達にダメージを与える事実を世界で初めて実証。

 カンナビノイドが脳損傷や認知症の機能回復に臨床応用できる道を開いている。

 「医療大麻の推進」も「大麻で町おこし」も空しく頓挫した。大麻に近づけば近づくほど、底なしの沼のような誘惑に引き込まれる。それが、人間の宿痾なのか、罪業なのか?
(文=編集部)

バナー1b.jpeg
HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法
世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長

前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』

毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…

内田千秋

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子