ストレスチェック対象者が恐れるのはクビ? <健康に気を配るべき業界>が低受検率という現実!

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ストレスチェックの受検率の実態は?(shutterstock.com)

 企業に対し従業員のストレスの状況についての検査を行なうことを義務づける──。そんな制度が2015年12月に施行された。それから9カ月、このストレスチェック制度はどのくらい浸透し、実際に行なわれたのか?

 従業員支援プログラム(EAP)のサービス提供会社であるピースマインド・イープが、独自に調査した団体ごとの受検率の結果を明らかにした。受検率とは、ストレスチェック対象者のうち実際にストレスチェックを受けた人の割合を指す。

 その調査結果によると、義務化初年度のストレスチェックの受検率は平均78.7%。約6割の団体で90%以上の受検率となった一方で、受検率が40〜50%の団体も1割以上存在した。

 業種別に受検率を見ると、建設業、情報通信業では90%以上、製造業でも90%近い受検率となったのに対し、金融業、保険業、医療・福祉業においては約60%の受検率となっており、業種による受検率のばらつきがあることが明らかになった。

 また、団体規模別に受検率を見ると、規模が大きい団体ほど受検率が低下する傾向にあり、5001名以上の団体では7割を下回る受検率になった。

 これについて、ピースマイド・イープは以下のような分析を下している。

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 建設業と製造業において受検率が高い理由としてはその他業種に比べ安全衛生対策に注力している団体が多い傾向にあることや、工場等において一斉受検の機会を提供しやすいといった可能性が考えられます。

 実際、製造業や建設業に属する高い受検率を達成した一部の団体では、工場勤務の従業員がストレスチェックを受検しやすいようにシフト面で配慮する、朝礼の時間をストレスチェク受検に充てるといった取り組みが見られました。

 また、情報通信業において受検率が高い理由としては受検の際に使用するICT(筆者注:情報通信技術)の操作に不慣れな従業員が少なかった、ICTを活用して受検勧奨が効果的に実施された可能性が考えられます。

 一方、金融業・保険業・医療福祉業において受検率が低くなった理由としては顧客対応に従事する従業員が多いため勤務中に受検時間を捻出しづらかった可能性が考えられます。
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