エコノミークラス症候群を防ぐ「貧乏ゆすり健康法」はマナーを守って意識的に

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
164369231.jpg

「貧乏ゆすり」は健康にいい!(shutterstock.com)

 座っているときに、膝を上下に揺する「貧乏ゆすり」。その語源には諸説ある。高利貸しが貧乏人から取り立てる際に足をゆすることが多かったから。 江戸時代に足をゆすると貧乏神に取り付かれるといわれていたから。 貧乏人がせかせか動いているように高貴な人からは見えるから……。

 この貧乏ゆすりが、実は「健康に良い」という側面があることを、米国ミズーリ大学のジェイム・パディラ助教授(栄養・運動生理学)が発表した。「貧乏ゆすりは下肢の血流を増加させ、驚くべきことに動脈機能の低下を十分に予防しうることが判明した」というのだ。

立ったり歩いたりできない空間では「貧乏ゆすり」を

 いわゆるエコノミークラス症候群と呼ばれる症状がある。医学的には「静脈血栓塞栓症」という。長時間、狭い空間に座っている(またはじっとしている)と、下肢に血流が流れにくくなり、血栓ができやすくなる。この血栓が肺に流れ込み肺動脈が詰まってしまうと、肺の酸素吸収の機能が低下して息苦しくなり、最悪の場合、死に至ることがある。

 熊本地震で自動車内に避難していた人が、この静脈血栓塞栓症と思われる症状で死に至ったことは記憶に新しい。これは極端な事例だが、長時間、ひとつの場所に座ることは身体に大きな負担になることは広く知られるようになった。

 ところが、貧乏ゆすりをすれば、簡便に血流を増加させることができるため静脈血栓塞栓症を防ぎ、健康維持に寄与できるというのだ。

 パディラ助教授の研究では、若者11人に3時間座ってもらい、その前後で脚の血管機能を比較した。座っている間、片方の脚は1時間トントンと動かして4分間休ませる。もう片方は動かさないという実験計画だ。その結果は、動かしたほうの脚は血流が増加し、動かさなかった脚の血流は減少した。

 パディラ助教授は、「立ったり歩いたりすることで、できるだけ座り続けないようにするべきだが、それが無理ならば代わりに貧乏ゆすりをするとよいかもしれない。なにも動かないよりはよい」という。

 長時間、同じ姿勢を保つしかない状況といえば、飛行機だけでなかう高速バスにも同様だ。狭い空間でじっとしないといけないため、こまめな水分補給とパーキングエリアでのトイレ休憩、少し歩くことを、バス会社が促すようになっている。バス会社としても顧客サービスのひとつにエコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)の予防をアナウンスするようになっている。

 普段の生活で最も長く、じっとしている場所といえば、オフィス空間だ。いまはパソコンを使った作業が多いので長時間椅子に座る人が増えている。関連して肩こり、眼精疲労も出てくる。下肢の血流の循環も滞りがち。健康維持の観点から「貧乏ゆすり」を意識的に取り入れるのもよいかもしれない。

除菌で虫歯と歯周病を予防する「3DS」~薬を塗ったマウスピースを5分間はめるだけ
インタビュー 口腔内を除菌して全身疾患を予防する「3DS除菌」② 鶴見大学歯学部・探索歯科講座 花田信弘教授/山田秀則助教

第1回:口腔内の雑菌は100億個以上~<除菌治療>が歯周病と生活習慣病を防ぐ!
虫歯や歯周病の原因菌が、生活習慣病を引き起こす発症リスクになることがわかっているため、今後は虫歯や歯周病を直接治療するだけに留まらず、「予防歯科」の必要性が近年ますます高まってくる。鶴見大学歯学部付属病院では、3DSという治療法を用いて、歯科治療のみならず、全身疾患の予防を目的に画期的な専門外科を開設している。

日本中毒学会評議員(同学会クリニカルトキシコロジ…

横山隆

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫

理学療法士。日本で理学療法士として勤務した後、豪…

三木貴弘