「津久井やまゆり園」の事件を完全スルーした『24時間テレビ』
今年の『24時間テレビ』は、噺家の林家たい平が100.5キロのマラソンを走り終え、会場にゴールインするクライマックスで35.5%という視聴率をマーク。平均視聴率は15.4%だった。
これだけ世間の注目を集めているチャリティー番組で、今年取り上げるべき重要なトピックが完全にスルーされた。
今年7月に起きた、障害者19人が殺害された「津久井やまゆり園」の事件だ。39回の長きにわたり障害者支援を訴えてきた『24時間テレビ』が、これだけの衝撃を与えた事件をまるでなかったかのように――。
植松聖容疑者は、「障害者なんていなくなればいい」「障害者はすべてを不幸にする」「障害者には税金がかかる」という考えから障害者の命を奪った。この事件以降、障害をもつ人やその家族は、いまだに大きな不安を抱きながら生活しているのではないか。
そのなかで、この問題に向き合うことなかった『24時間テレビ』は、「感動ポルノ」と揶揄されても仕方あるまい。そして、これが日本における、障害者との<距離感>ではないだろうか。
今回の「感動」か「笑い」かという論議の先に、障害者の<普通>にスポットが当たることに期待したい。
(文=編集部)